2021.10.22
但馬CULTURE VOL.74 民俗芸能伝承のまち 新温泉町久谷
兵庫県新温泉町の東端にある久谷地区。全国的に「久」の文字は「木」を表す地名が多いため、燃料の採取地であったことが地名の由来と考えられています。その名の通り、三方を山に囲まれた谷筋に位置した集落です。 ―険しい峠道を越えて 久谷地区から国道178号の桃観(とうかん)峠を超えると、香美町余部地区に入ります。太ももがうずくほど険し
2021.09.27
但馬CULTURE VOL.73 山の中なのに?「海上(うみがみ)」地名の秘密
兵庫と鳥取の県境、扇ノ山山ろくに広がる上山高原。ブナ林とススキ草原で知られる高原へ向かう山道の途中に突如現れる小さな集落が、新温泉町の「海上」です。 ―不思議な地名 標高350〜400メートルの山あいに位置する海上。まず驚くのは、なんと言ってもその地名です。 「どうして山の中なのに海上なの?」と、訪れる人は誰もが疑問に思うそ
2021.08.16
但馬CULTURE VOL.72 人と自然が共存する瀞川平(とろかわだいら)
兵庫県香美町村岡区にある高原、瀞川平(とろかわだいら)。県の観光百選第1位にも選ばれたほどの景勝地で、氷ノ山後山那岐山(ひょうのせんうしろやまなぎさん)国定公園の一部でもあります。 ―美しい瀞川平 瀞川平は標高680メートル前後のなだらかな高原地帯。渓谷や滝などと相まって、見事な景観美を生み出しています。 県指定天然記念物で
2021.07.07
但馬CULTURE VOL.71 但馬の夏の風物詩 ツバメのねぐら入り
夏、夕暮れの円山川。川沿いで一斉に急降下を繰り返す大量のツバメを見かけ、驚いた方もいるのではないでしょうか。夏の風物詩、「ツバメのねぐら入り」です。 ―円山川沿いで眠る 太陽がゆっくりと地平線へと沈むころ、薄紫色の空を舞台に「ツバメのねぐら入り」が始まります。 「ねぐら」とは眠る場所のこと。昼間は各地に散っていたツバメが集団
2021.06.17
但馬CULTURE VOL.70 養父市 八木城下町
鎌倉時代から八木氏15代が栄えた兵庫県養父市八鹿町八木。周辺はかつて八木城下町として賑わいました。今でもその痕跡はまちに刻まれ、歴史を辿ることができます。 ―交通の要所 養耆(やぎ) 八木の歴史は古く、昔は「養耆(やぎ)」と書き記されていました。古来より但馬と因幡を結ぶ交通の要所で、今も山陰道が家々を縫うように残っています。
2021.05.28
但馬CULTURE VOL.69 兵庫県下最高峰 氷ノ山
兵庫県下の最高峰、氷ノ山。兵庫県養父市と鳥取県八頭郡若桜町との県境にあり、標高1,510mもの高さを誇ります。中国山地の中でも鳥取県の大山に次ぐ高さであり、古くから信仰の対象でもありました。 ―兵庫アルプスと呼ばれた山々 氷ノ山は周囲を1,000m級の山々に囲まれており、それほどの高さは感じさせません。それでいて山頂に立つと
2021.04.28
但馬CULTURE VOL.68 今こそ知りたい!「ジオパーク」って?
奇岩・洞門が点在する風光明媚な海岸線、滝や渓谷が織りなす壮大な景色の山々、そして豊富な温泉資源。多種多彩な地質遺産を多く有する「山陰海岸ジオパーク」は日本海誕生の歴史と、そこに住む人々の暮らしや文化を学べる場所として、2010年、世界ジオパークに認定されました。 ―“山陰海岸”と“ジオパーク” ジオパークとは地球科学的に見て
2021.03.05
但馬CULTURE VOL.67 袖ヶ池(そでがいけ)のお姫様伝説
兵庫県養父市にある琴弾峠(ことびきとうげ)は琴引山(ことびきやま)とも呼ばれ、江戸時代から俳句に読み込まれる名所になっています。その峠の山頂付近にある小さな池「袖ヶ池」には、とある悲しい姫の伝説が残されていました。 ―秀吉に落とされた城 養父市八鹿町八木にある八木城跡は、国指定文化財でもある史跡です。その昔八木城は、羽柴秀吉
2021.02.08
但馬CULTURE VOL.66 青倉神社に鎮座する目の神様
兵庫県朝来市山内にある青倉神社は、古くから目の神様として信仰を集めています。今も伝わる孝行息子の話とは、いったいどのようなものでしょうか。 ―山肌から湧き出る御霊水 朝来市青倉山の中腹にある青倉神社。ご神体は12mもある巨石で、昔から巨石信仰の神社として知られています。 2階建ての社殿は巨石神像を覆うように建てられており、1
2021.01.20
但馬CULTURE VOL.65 「出石神社」アメノヒボコ伝説を伝える出石町宮内
但馬開発の祖である「天日槍命(アメノヒボコノミコト)」伝説が伝わる、兵庫県豊岡市出石町宮内。但馬のルーツを伝える古の地を紹介します。 ―但馬の国一宮 豊岡市出石町宮内は、「一宮(いっきゅう)さん」の愛称で親しまれる「出石神社」があるまちとして有名です。集落の中心に鎮座する出石神社は、但馬の国一宮としてかけがえのない存在です。
2020.12.24
但馬CULTURE VOL.64 旬の味 ハタハタの西京漬け
山陰地方の名物・ハタハタ。兵庫県新温泉町浜坂にある「山米鮮魚」の『ハタハタの西京漬け』は、「地場の魚をおいしく食べてもらいたい」という3代目・山本静夫さんのこだわりが詰まった逸品です。 ―こだわりの食材 “体に優しくて安心安全な商品づくり”をモットーとする山米。素材の旨みを最大限に引き出すため、添加物は一切使わず調味料にこだ
2020.11.12
但馬CULTURE VOL.63 地域と調和する酒造り
酒造りの最高責任者である杜氏。但馬の厳しい自然環境で育まれた但馬杜氏は日本4大杜氏の1つとして有名です。その但馬杜氏とともに歩んできたのが、兵庫県朝来市山東町にある老舗酒造の「田治米合名会社」です。 ―“温故知新”の酒造り 創業1702年。伝統を守りながら酒造りを続ける同社は、2017年から全商品を純米酒にしました。純米酒と
2020.10.29
但馬CULTURE VOL.62 兎塚(うづか)の由来
かつて山名氏の城下町として栄えた兵庫県美方郡香美町村岡区。その南端には、兎塚(うづか)と呼ばれる地域があります。地名の由来となったのは、3羽の古兎伝説でした。 ―恐ろしい大蛇 その昔この地には大きな池があり、大蛇が棲んでいました。通る人を襲ったり馬や牛を飲みこんで、村の人々から恐れられていたそうです。 この噂を聞いた帝は勅命
2020.09.24
但馬CULTURE VOL.61 養父の太郎左衛門(たろうざえもん)
兵庫県養父市薮崎(やぶさき)の願入寺(がんにゅうじ)には、ある供養塔があります。その主は太郎左衛門。羽柴秀吉の但馬平定で活躍し、円山川の渡河を助けた農民です。 ―時は戦国 時は1580年、戦国時代。天下統一を進める織田信長の命を受けた羽柴秀吉は弟・秀長に但馬平定を命じました。諸城を攻略平定した羽柴秀長は、出石城主に任命されま
2020.08.26
但馬CULTURE VOL.60 「天空の城」の城下町
「天空の城」として全国に名を知られる竹田城跡。それを仰ぐ城下町、兵庫県朝来市竹田にも多くの魅力があります。 ―土塀、格子、うだつの上がった町家… 過去3回大火に見舞われた竹田の町には、昔の記録がほとんど残されていません。しかし大軍の侵入を防ぐクランクなど、往時の面影を見ることができます。 「竹田城廃城後は但馬街道の宿場町とし
2020.07.08
但馬CULTURE VOL.59 中瀬(なかぜ)金山 金山町を歩く
日本遺産「播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道」にも名を連ねる「中瀬金山」をもつ、兵庫県養父市中瀬。約450年の歴史を誇る金山町の面影を辿ります。 ―歴史ある金山町 1573年、鳥取県から訪れた旅人が八木川河畔で砂金を見つけたことから、中瀬金山の歴史が始まりました。江戸時代に「中瀬金山町」と称され、近畿で最大の金山町として開発され
2020.06.15
但馬CULTURE VOL.58 地元野菜で本生パスタ
いろいろな種類の形が豊富にそろう『Ryu’s Noodleショート本生パスタ』。昭和30年の創業以来、無添加の食材にこだわった生麺を製造・販売している「りゅう製麺所」の本格生パスタです。 ―生パスタを彩る地元野菜 生パスタの製造を始めたのは、3代目を担う林崇徳さん。原料となる粉や製麺方法など約4年の試行錯誤を経て
2020.05.22
但馬CULTURE VOL.57 海と共に生きる 香美町香住区
海とともに生きる漁業の町、香美町香住区。海へと続く路地には漁師町の風情が残ります。往時の様子をたどりながら、海辺散策はいかがでしょうか。 ―海のまち香住 「香住」と言えば、言わずと知れた漁師町。冬場の松葉ガニを始め、イカ、カレイ、ハタハタ、ニギスなど、1年中多彩な魚介類が水揚げされます。近畿で唯一水揚げされる紅ズワイガニは、