かつて山名氏の城下町として栄えた兵庫県美方郡香美町村岡区。その南端には、兎塚(うづか)と呼ばれる地域があります。地名の由来となったのは、3羽の古兎伝説でした。
―恐ろしい大蛇
その昔この地には大きな池があり、大蛇が棲んでいました。通る人を襲ったり馬や牛を飲みこんで、村の人々から恐れられていたそうです。
この噂を聞いた帝は勅命を出し、弓の名手である日下部政高に大蛇を退治するよう命じます。
―日下部に倒される3羽の兎
大蛇退治に向かったところ、3羽の古兎が現れて大蛇を退治させまいと政高の行く手を阻んできました。邪魔をする古兎たちは弓であっという間に退治され、その勢いで大蛇も退治されました。
しかしその後、殺された兎が化けて村の人々をたたり始めたのです。村人たちは相談し、兎の霊を鎮めるため、塚(お墓)を作ることにしました。下中山、川端、八井谷の3カ所にお墓を作り、それぞれ厚く霊を祀ったところ、たたりはなくなりました。
―村岡の豊かな自然の中で
現在は3つの塚が残っており、そこからこの地域を「兎塚」と呼ぶようになったといわれています。
滝や森など自然豊かな観光スポットが多いのも村岡の特徴。動物たちの息遣いを感じながら、のんびりと散歩してみては。
(※川端は私有地を通るため、見学の際はご注意ください)
LINK UP 兎塚(うづか)の由来
■兎の塚(川端) [所]美方郡香美町村岡区川端 ■兎の塚(八井谷) [所]美方郡香美町村岡区八井谷 ■兎の塚(下中山) [所]美方郡香美町村岡区下中山 (HP)https://tajima-tabi.net/fp20 |