「天空の城」として全国に名を知られる竹田城跡。それを仰ぐ城下町、兵庫県朝来市竹田にも多くの魅力があります。
―土塀、格子、うだつの上がった町家…
過去3回大火に見舞われた竹田の町には、昔の記録がほとんど残されていません。しかし大軍の侵入を防ぐクランクなど、往時の面影を見ることができます。
「竹田城廃城後は但馬街道の宿場町として発展してきました。土塀や格子戸、うだつの上がった家など、古いまち並みは今も健在ですよ」と話すのは、和田山観光ボランティアガイドの上山哲生会長。竹田地区の中心地には、かつて役場庁舎や朝来郡公会堂だったモダンな建物が今も残っています。
―茶色がかった竹田のまち並み
中心地から円山川に向かって路地を歩くと、堤防沿いの道へと繋がります。春は桜、夏は緑の並木が続き、爽やかな川風が吹き抜けて心地よい散歩道となっています。
堤防の道から諏訪橋を左手に曲がると、クランク状の道路、そして、旧街道が南北に延びます。線路と並行して家々が軒を並べ、「加都(かつ)石」と言われる茶色味がかった石積みは竹田のまち並みの特徴です。
―水路に見る先人の技術の高さ
「古い石橋が多いのも竹田ならでは。但馬にある江戸期の石橋7つの内、5つが竹田に集中しているんですよ」と上山さん。1708年に造られた「恵比寿橋」は但馬最古の石橋です。1930年に街道筋から現在地に移設されました。
この橋の下を流れる水路もぜひ見てほしい場所のひとつ。堰を設けることなく勾配だけで左右に水が分かれており、当時の高い技術力を感じます。
―新たな魅力へ
城のふもと側へと流れる水路は、松並木が美しい寺町通りへと続きます。かつての武家屋敷跡であり、4つの寺院が移設され、竹田城下町を象徴する景観です。歴代城主の墓や供養塔、居館跡があり、鯉が泳ぐ水路と相まって趣はさらに深まります。
近年では観光客の増加に伴い、古い町家を活用した宿泊・食事・休憩施設がオープンし、新たな町の魅力となっています。のんびりとした時間が流れる竹田城下町。竹田ならではの風情や歴史の足跡を感じてください。
LINK UP 「天空の城」の城下町
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