2020.04.30
但馬CULTURE VOL.56 温泉城(ゆのしろ)と宴の清水
温泉地として名高い、新温泉町の「湯村温泉」。その近くにそびえ立つ白毫山(びゃくごうざん)の小高い山頂に、温泉城(ゆのしろ)がありました。 ―温泉城(ゆのしろ)の伝説 その昔、豊臣秀吉が勢力拡大のため但馬の城を攻めていたときのことです。巧みな戦術で手当たり次第に城を落としていた秀吉ですが、なかなか温泉城を攻略することができませ
2020.02.29
但馬CULTURE VOL.55 勅使門(ちょくしもん)の鳳凰
朝来市山東町にある粟鹿(あわが)神社の創建は、2000年前に遡ることができます。 ―由緒正しい粟鹿神社 但馬国一の宮で、延喜式に定める明神大社でもある粟鹿神社。昔から神徳の高い神社として朝廷の尊崇が厚く、国家の大難に際して四度の勅使が派遣されたと伝えられています。 その折にご加護を得られたことを記念して、天皇が派遣する使者が
2020.02.02
但馬CULTURE VOL.54 但馬の自然が生んだ魚醤(ぎょしょう)
松葉ガニを始め、ホタルイカやノドグロなど、但馬地方の漁港では様々な魚介類が水揚げされます。但馬漁業協同組合では、持続可能な漁業を目指して、足の取れたカニや規格外で小さい魚などの未利用魚を有効活用するために付加価値をつけた商品の開発を進めてきました。そこで生まれたのが『天然醸造 麹の魚醤』です。 ―約4年の試行錯誤 同商品は香
2020.01.31
但馬CULTURE VOL.53 面沼(めぬま)神社のお茗荷(みょうが)祭り
新温泉町竹田に鎮座する面沼神社。周りに雪が積もる2月、但馬七不思議にあげられる奇祭「お茗荷祭り」が行われます。 ―但馬七不思議のひとつ「お茗荷祭り」 毎年2月11日に行われるという「お茗荷祭り」。面沼神社境内には「めぬ池」とよばれる小池があり、その池のなかにある小島にミョウガの芽が育ちます。 通常春から夏にかけて芽を出すミョ
2019.12.20
但馬CULTURE VOL.52 復活した伝統の味 矢田川みそ
兵庫県香美町には古き良き手作りみそがあります。地元素材を使った特産品として、また日常をほっと温める味として、「矢田川みそ」を食卓に出してみてはいかがでしょうか。 ―米麹の旨味とやさしい甘さ 日々の食卓に欠かせないみそ。香美町村岡区にある道の駅「あゆの里矢田川」で特産品として愛されていた「矢田川みそ」が、地域の声援に応え昨年復
2019.11.27
但馬CULTURE VOL.51 中井権次(ごんじ)の足跡
江戸時代の中頃から昭和初期にかけて、神社仏閣に数々の彫り物作品を残した名彫物師集団がいます。彼らは中井権次一統と呼ばれ、但馬にも多くの作品を残しました。 ―中井権次一統とは 「丹波の名彫物師」としてその名をはせた柏原・中井家が兵庫県丹波市柏原へ定住するようになったのは、1615〜1619年にかけて行われた柏原八幡宮・三重塔の
2019.10.23
但馬CULTURE VOL.50 芸術家の集う町 うちげぇのアートおおや
「まちをアートで楽しく。」兵庫県養父市では、観光交流人口を増やすプロジェクトの1つとして、「おおやアート村構想」が進行しています。 ―芸術家の集うまち おおや 養父市大屋地域は、但馬の中でも多くの芸術家が移住し、創作活動をしている場所として知られています。1994年から始まった「木彫フォークアート」は、各地から木彫作品が集ま
2019.09.09
但馬CULTURE VOL.49 日本遺産 鉱石の道
2017年4月28日、養父市、朝来市、姫路市、福崎町、市川町、神河町の6市町で繋ぐストーリー『播但貫く、銀の馬車道 鉱石の道 ~資源大国日本の記憶をたどる73㎞の轍~』が日本遺産に認定されました。但馬では初の認定です。 ―祝・日本遺産認定 日本遺産とは、地域の歴史的な魅力や特色を通じて文化・伝統を語るストーリーを文化庁が認定
2019.08.05
但馬CULTURE VOL.48 農業遺産 但馬牛
“世界の舌を魅了する”神戸ビーフや特産松阪牛の素牛「但馬牛(たじまうし)」を育む「兵庫美方地域の但馬牛システム」が、2019年2月に日本農業遺産に認定されました。 ―日本初の、牛の血統登録 兵庫県北西部に位置する美方郡は但馬牛の原産地として知られ、全国の黒毛和牛の99.9%に血縁を持つとされる名牛「田尻号」のふるさとです。江
2019.07.25
但馬CULTURE VOL.47 香り高く 天滝ゆずシャーベット
天から降り注ぐかのように流れ落ちる水の柱。兵庫県養父市にある「天滝」は、98メートルと県下一の落差を誇る、但馬を代表する名瀑です。そんな雄大な天滝の名産・天滝ゆずを使った「天滝ゆずシャーベット」が今じわじわと人気を集めています。 ―香り高い天滝ゆず 企画開発を手掛けたのは養父市八鹿町のレストラン「ベリッタ」。複数の企業が持つ
2019.05.30
但馬CULTURE VOL.46 小山弥兵衛と心諒尼
朝来市和田山町東河(とが)地区では、祖父を弔う孫娘の孝行物語が語り継がれています。 ―壱岐(いき)島への流刑 昔、東河庄野村(朝来市和田山町東河地区)に「小山弥兵衛」という若いながらも人望が厚い男がいました。 1738年、長く続く凶作のため、庄屋たちが訴状を持って生野代官までお願いに行きました。しかしその際農民が鍬や鎌を持っ
2019.05.15
但馬CULTURE VOL.45 日本遺産認定!風待ち・潮待ち港 諸寄
かつて北前船の“風待ち・潮待ち港”として栄えた新温泉町の諸寄地区。『枕草子』や『古今和歌六帖』など、古くから和歌にも詠まれてきた名勝地です。2018年に文化庁が認定する日本遺産『荒波を越えた男たちの夢が紡いだ異空間~北前船寄港地・船主集落』に、諸寄を含む27市町が追加認定を受けて話題となりました。 ―荷物の運搬だけではない北
2019.04.26
但馬CULTURE VOL.44 豊岡復興建築群でまち歩き
豊岡市街地に鎮座する「小田井縣神社」。その神社の南側に位置する旧道沿いには、大正14年に起きた北但大震災の後整備された震災復興建築群が。大開、宵田通りなどに数多く残る建物を眺めながら、趣のあるまち歩きはいかがでしょうか。 ― 豊岡杞柳細工を支える古社 但馬五社の一社、霊験あらたかな古社として知られる豊岡市街地に鎮座する「小田
2019.03.26
但馬CULTURE VOL.43 チューリップに賭けた人たち
「弁当忘れても、傘忘れるな」。これは但馬の変わりやすい気候を表した言葉です。特に秋には時雨が多く、大事な作物の種植えの時期と重なる農家にとって、こうした天候は悩みのタネでした。もちろん、今や但馬の春の風物詩になった「たんとうチューリップまつり」でも同じことです。 ― 「弁当忘れても、傘忘れるな」 毎年4月中旬ごろに、兵庫県豊
2019.03.04
但馬CULTURE VOL.42 余部クリスタルタワー
地域のシンボルともいえる、兵庫県香美町にある余部橋梁。2010年夏にコンクリート製の新橋に生まれ変わりました。その海側に無料のエレベーター「余部クリスタルタワー」が設置されたのは2017年11月のことです。展望施設「空の駅」へのアクセスも容易になり、新たな観光スポットとして人気を集めています。 ― 東洋一の鉄橋 2010年に
2019.02.04
但馬CULTURE VOL.41 古民家を蘇生させた在宅看護施設
2017年4月に開所した、豊岡市日高町にある看護小規模多機能型居宅介護事業所「リガレッセ」。古民家を利用した介護事業所という、全国でも珍しい看護センターです。敷地内に古民家カフェも併設し、通い・訪問・宿泊・訪問看護に加え、終の住処として終末期看護にも対応しています。 ― 人と場所をつなぐ古民家 「『リガレッセ』とは、ラテン語
2019.01.21
但馬CULTURE VOL.40 地域とつくるいちご菓子
明治元年の創業以来、兵庫県養父市八鹿の地で長く愛されている菓子メーカー「菓心谷常」。創業150年を超える老舗が新たに挑戦したのは、甘酸っぱいいちごを使った洋菓子の開発でした。 ― 老舗菓子メーカーを支える職人の技術 約60年前に発売された、銘菓「鮎のささやき」を食べたことのある人も多いでしょう。その味を今に伝えるのは、製造部
2018.10.25
但馬CULTURE VOL.39 温泉街でアートなまちづくり
自然やまち並みなどの文化的資源を活かしたアートによるまちづくり。建築、造形、ダンス、演劇、音楽などのアートと地域との関わり方は様々です。アートと地域にはどんな関係が生まれるのか、どのようにして地域に結びつけることができるのか。今回は兵庫県新温泉町で進められているアートなまちづくりの現状を追いました。 ― 隅々まで歩いて魅力発