但馬CULTURE VOL.66 青倉神社に鎮座する目の神様


兵庫県朝来市山内にある青倉神社は、古くから目の神様として信仰を集めています。今も伝わる孝行息子の話とは、いったいどのようなものでしょうか。

―山肌から湧き出る御霊水

朝来市青倉山の中腹にある青倉神社。ご神体は12mもある巨石で、昔から巨石信仰の神社として知られています。

2階建ての社殿は巨石神像を覆うように建てられており、1階の拝殿の中から巨石を拝むこともできます。その社殿の山肌から湧き出る「御霊水」が眼病に効くと、古くから人々に信仰されていました。その水の効果は、1つの昔話として伝わっています。

―ウドのトゲが目に

そのむかし、年老いた父親と暮らす孝行息子がいました。ある日父が山菜を取ろうと山に入った際、目にウドのトゲが刺さり大怪我を負ってしまいます。

息子は必死に看病しますが、痛みは一向に治りません。息子は疲れて眠り込んでしまいました。すると息子の夢枕に神様が立ち、岩から湧き出る水をつけるようお告げがありました。

―お告げの水

息子はすぐに水を探しを始めましたが、なかなか見つかりません。そんな時、青倉山の小さな祠が目に入りました。もう一度神様にお願いしてみようと近づくと、近くの山肌から澄んだ水が流れ落ちているではありませんか。

お告げにあった水に違いないと大喜びした息子は、その水を持ち帰り父の目を洗いました。すると痛みが消え、父の目は元通り見えるようになったそうです。

―今も伝わる目の伝説

この話を聞いた人々が参拝し、青倉神社は目の神様として知られることとなりました。またそれ以来、青倉神社の氏子はウドを食べなくなったといいます。

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■青倉神社
[所]兵庫県朝来市山内権現谷82-1
[問]079-677-1165(朝来市役所朝来支所内 朝来観光協会朝来支部)

 

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