但馬CULTURE VOL.68 今こそ知りたい!「ジオパーク」って?


奇岩・洞門が点在する風光明媚な海岸線、滝や渓谷が織りなす壮大な景色の山々、そして豊富な温泉資源。多種多彩な地質遺産を多く有する「山陰海岸ジオパーク」は日本海誕生の歴史と、そこに住む人々の暮らしや文化を学べる場所として、2010年、世界ジオパークに認定されました。

―“山陰海岸”と“ジオパーク”

ジオパークとは地球科学的に見て貴重で、美しい地質遺産を含む自然公園のこと。「山陰海岸ジオパーク」は京都府京丹後市、兵庫県豊岡市・香美町・新温泉町、鳥取県岩美町・鳥取市にまたがる広大なエリアとなっています。

2014年9月、鳥取地域が一部拡大し、世界ジオパークに再認定されたニュースが話題となりました。世界ジオパークネットワークへの加盟認定は4年に1度の更新審査があります。

―さまざまな取り組み

同ネットワークへの加盟は、貴重な地質遺産があるだけでは認められません。また、認定を受けていても理念に沿った活動が不十分な場合は認定が取り消されることも。ジオパークを通して、いかに地域が発展していくかが大きなテーマとなっています。地形・地質の保護保全活動やジオパーク学習、地元住民の活動など、様々な努力の積み重ねが今回の再認定に結びつきました。

また取り組みも、子どもの体験学習やガイドの育成など幅広く行われています。2013年から始まった「ジオパークガイド認定制度」は、養成講座の受講や保険加入などの一定基準を満たす人をジオパークガイドとして認定する制度です。すでに地元ガイドとして活躍していたガイドをはじめ、「お客さんにもっとまちを知ってもらいたい」と旅館のスタッフが養成講座を受講するなど、その内容も確実にレベルアップしています。

―これからの山陰海岸ジオパーク

但馬牛や海産物・農産物などの特産品、観光資源や温泉、人々の生活様式もジオパークの構成要素となります。なぜならその土地ならではの気候条件や地形は、人々の暮らしや文化に直接結びついており、それらを利用することによって得られた産物だからに他なりません。

ジオパーク活動は持続可能な地域の発展を目的としています。子どもたちに向けた教育に力を入れ、地域に誇りを持ってもらうと、その誇りが景観の保護保全への意識となり、地域産業の活性化へと繋がります。「山陰海岸ジオパーク」の価値を再認識し、その素晴らしさを次世代へと伝えていきましょう。

LINK UP 今こそ知りたい!「ジオパーク」って?

■山陰海岸ジオパーク推進協議会事務局
[所]兵庫県豊岡市幸町7-11(兵庫県豊岡総合庁舎内)
[問]0796-26-3783
(HP)https://sanin-geo.jp/

 

PICKUP