但馬CULTURE VOL.67 袖ヶ池(そでがいけ)のお姫様伝説


兵庫県養父市にある琴弾峠(ことびきとうげ)は琴引山(ことびきやま)とも呼ばれ、江戸時代から俳句に読み込まれる名所になっています。その峠の山頂付近にある小さな池「袖ヶ池」には、とある悲しい姫の伝説が残されていました。

―秀吉に落とされた城

養父市八鹿町八木にある八木城跡は、国指定文化財でもある史跡です。その昔八木城は、羽柴秀吉の大軍に攻められ落城してしまいました。

城主である八木豊信は切腹しましたが、豊信の娘の奈津江姫はなんとかこの戦いを逃れました。

―水面に浮かぶ姫の袖

命からがら琴弾峠にたどり着いた奈津江姫。八木城を振り返ると、すでに城は真っ赤に燃えているではありませんか。

力尽きた姫は池に身を投げ、自ら命を絶ってしまいました。数日後に姫が着ていた着物の袖が水面に浮かんできたことから、「袖ケ池」と呼ばれているといいます。また一説によると、琴弾峠という名はその姫が琴を弾いたためともいわれています。

―心を癒す桜

一方麓の大屋町宮垣区では、池に身を投げたのは三方城の姫とも伝えられています。しかし、いずれも命を落とす悲しい結末になっています。

現在池の周りには桜が植えられ、春になると美しい花を咲かせ人々を楽しませてくれます。悲しみから身を投げた姫の心も慰めてくれることでしょう。

LINK UP 袖ヶ池(そでがいけ)のお姫様伝説

■青倉神社
[所]兵庫県養父市大屋町宮垣
(HP)https://www.city.yabu.hyogo.jp/soshiki/kyoikuiinkai/shakaikyoiku/1/1/1971.html

 

PICKUP