兵庫県香美町には古き良き手作りみそがあります。地元素材を使った特産品として、また日常をほっと温める味として、「矢田川みそ」を食卓に出してみてはいかがでしょうか。
―米麹の旨味とやさしい甘さ
日々の食卓に欠かせないみそ。香美町村岡区にある道の駅「あゆの里矢田川」で特産品として愛されていた「矢田川みそ」が、地域の声援に応え昨年復活しました。
矢田川みその材料は米麹、県内産大豆、塩のみ。兵庫県が定めた安心・安全の証である「ひょうご推奨ブランド」にも選ばれています。お米の美味しさを競う「全国食味コンクール」で連続受賞を果たした村岡産コシヒカリを発酵させた米麹の旨味による、優しい甘さとまろやかな味わいが特徴です。
―人々が待ち望んだみそ
帰省土産に選ばれるなど県内外から愛されていましたが、手作りのため製造者などの高齢化により一度は製造を中止しました。しかし長年この味に親しんでいた人々からの復活を望む声は尽きませんでした。そこで立ち上がったのが同道の駅を運営する住民グループ「大平(おおなる)会」。先代製造者の指導のもと復活第1弾を完成させました。
試験販売した約30個は即日完売。好調な売れ行きに、大平会副会長は「お客さんたちが待っていてくれた」と目を細めます。同じ材料・製法で作られた新矢田川みそは、「変わらない味だ」と愛好者たちからも満足の声があがっています。
―細腕から伝わる思い
冬に仕込み、1年熟成させてから売りに出される矢田川みそ。味の決め手となる麹の仕込みは、以前と同じように女性を中心とした地元メンバーで行われています。細腕に体重をかけ、丁寧に押し混ぜながら均一に発酵した米麹を作ります。
麹菌がまんべんなくいきわたるよう、30kgの米を何度も入れ替え行われる作業は重労働です。昨年からみそ作りに参加した女性は、力仕事に汗をにじませながらも「この手間がみそを美味しくしますから」と手を休めません。先代製造者からも「麹菌が十分混ざっており良い仕上がり」と高評価。人とともに受け継がれていく矢田川みそは、村岡の味として日々に寄り添っています。
LINK UP 復活した伝統の味 矢田川みそ
■道の駅あゆの里矢田川 [所]美方郡香美町村岡区長瀬933-1 [問]0796-95-1369 (HP)http://www.ayunosato.kamicho.jp/ |