但馬CULTURE VOL.55 勅使門(ちょくしもん)の鳳凰


朝来市山東町にある粟鹿(あわが)神社の創建は、2000年前に遡ることができます。

―由緒正しい粟鹿神社

但馬国一の宮で、延喜式に定める明神大社でもある粟鹿神社。昔から神徳の高い神社として朝廷の尊崇が厚く、国家の大難に際して四度の勅使が派遣されたと伝えられています。

その折にご加護を得られたことを記念して、天皇が派遣する使者が出入りする勅使門が建てられました。約600年前のことです。

―彫刻の鳳凰が鳴く 但馬七不思議

この由緒正しい神社には、古くから伝わる7つの不思議な話が残っています。その1つが江戸期に活躍した彫り師、左甚五郎が勅使門の左右に彫った2羽の鳳凰の話です。

この彫刻の鳳凰、名作ゆえに夜な夜な門を飛び出し、人を驚かせていたといいます。鳴き声もうるさく苦情が来たので、甚五郎が1羽の首を切り落とすと、以後鳴かなくなったそうです。それを裏付けるように、現在は左右の門扉の右の扉の鳳凰が首から下だけになっています。

―貴重な文化財として

勅使門は、全体的に中国風の唐様でありながら、天竺様の手法が取り入れられた貴重な文化財です。通常は年2回の大祭以外は開かれることはありません。

首が切り落とされたため現在は鳴くことはありませんが、今でも鳳凰の躍動を感じることができます。

LINK UP 勅使門(ちょくしもん)の鳳凰

■粟鹿神社
[所]朝来市山東町粟鹿992
[問]079-676-2465

 

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