標高約730mに位置する施設は、1年中いろんなアウトドアメニューが楽しめる癒しの世界。「楽しさ」から学ぶ、自然の素晴らしさを体感できるアクティビティをご紹介します。
― 鳥の目線で森を観察!森と一体化する癒し。
とちのき村は「ツリーイング」を但馬でいち早く取り入れた先駆者的な場所。「ツリーイング」とは、ロープを使って木登りすることで、日本で生まれた造語です。樹木医が樹上作業を安全に行うために利用された木登りの技術が元になっています。「イング」は「木に登る~Climbing」「木から学ぶ~Learning」「お互いに共有する~Sharing」の3つのイングを表しています。とちのき村では土日祝のみ、個人向け(家族や小グループ)のプログラムがあり、但馬の森の中で癒しを体験できます。
「木登りって大変!」と思う方も多いでしょうが、体験してみるとこれが至って簡単!ハーネスと呼ばれる安全用のベルトを付けたら、輪っか状になったロープに足をかけて踏み込むだけ。手でよじ登るのではなく、体重移動での登っていくので、コツさえつかめば、誰でも簡単にできます。
あれよあれよと言う間に、十数メートルの高さに到達。枝に腰かけると、そこは鳥目線。地面に降りずにとなりの木に移ることもできます。樹上からの眺め、野鳥のさえずり、木の葉の匂いなど、普段は感じることができない体験が待っています。とちのき村ではインストラクター講座を修了した専門のスタッフが丁寧に教えてくれるので、小さな子どもだって登れちゃいます。
「自然とふれ合えるきっかけとして気軽に訪れてほしいですね。子どもの施設と言うイメージがありますが、大人も本気で楽しめる場づくりを意識しています」とは、所長の田中誉人さん。
「木登り」と言えば、子どもが楽しむものと思われがちですが、ぜひ大人の方に体感してもらいたいのがこのアクティビティ。樹上に専用のハンモック(ツリーボート)をはることができ、そこに体をあずければ、もう夢の世界へ。なんとも心地のよい揺らぎとマイナスイオンを浴び、癒しの時間へ誘ってくれます。
― 暑さを吹き飛ばそう!清流に身をまかせる癒し。
夏の暑さを吹き飛ばすアクティビティとして、おすすめなのが渓谷の水を浴びながら沢を登る「シャワークライミング」。貸し出し用のウエットスーツとヘルメットを身につけたら、川の中へ飛び込むだけ。サンショウウオも生息する矢田川の源流を登るので、川の水は驚くほどの透明感があります。夏でも水温は低く、とってもひんやりします。
コースの途中では滝をよじ登ったり、すべり落ちたり、滝つぼからダイブしたりと、まさに自然が創り出す急流すべりを楽しむことができます。ロングコースとショートコースが交わる場所にはトンネルもあり、子どもはもちろん、大人も童心にかえって自然とふれ合えます。
一番のおすすめは、流れの水がよどんで深くなった淵の場所。ウエットスーツの浮力を利用して、仰向けになって浮かべば、まるで川と一体化したような感覚を体験できます。緑の木立からは木漏れ日が差し込み、ゆったりと自然に身をゆだねていると体の中が浄化されるようです。
「地元の人は但馬が自然が素晴らしいということは分かっていても、当たり前過ぎて、どこが素晴らしいのかを理解しきれていない人が多いと思います。楽しさは学ぶ力になる。楽しみながら自然の魅力や大切さに気づき、伝えていける人が増えれば最高ですね」と、田中所長。「一緒に楽しむ」がモットーの田中さん。遊ぶ時はもちろん、準備や片付けも参加者と一緒に行います。仲間が協力し合うことで、親近感が生まれるそうです。
特にこのシャワークライミングは、滝を登る時など、手を取り合って協力する場面が多いアクティビティ。家族やカップルといった絆を深めたい方にはまさにうってつけ体験です。
LINK UP 尼崎市立美方高原自然の家とちのき村
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