東京からUターンし、故郷の新温泉町浜坂でアトリエ「KOJI OKAMOTO DESIGN OFFICE」を構える岡本剛二(1978年生まれ)さん。在京時は、東京・大阪等、全国でトレンドの最先端を創っている「Abahouse International」のチーフデザイナーとして業界の最先端で活躍していました。有名ブランドデザイナーの座を捨て、生まれ故郷の浜坂でアトリエを構えた理由とは?そんな岡本さんのお話です。
― ”僕らのせい”だと思ってるんです。
「人は洋服の力によって変われる」ことを実感して以来、デザイナーを志し、東京の有名ブランド「Abahouse International」に入社。27歳の若さで大勢のスタッフを率いるチーフデザイナーに抜擢され、業界の最前線で充実した毎日を送っていた岡本さん。しかし、一方で帰省する度に元気がなくなっていくふるさとの状況に心を痛めていました。
「”僕らのせい”だと思ってるんです。大阪や東京でずっと暮らしてきましたから。でも、仕事を通して職人さんとやりとりしながら、地方の手仕事の現場が疲弊していることに直面せざるを得なくなった。また、帰省する度に但馬の元気がなくなっていくことが気になって仕方なかった。」
「ああ、この責任は、ふるさとを顧みずに生きてきた僕らにあるなと。だから僕は浜坂に帰って仕事をしようと決めました。」
― 地方と都心を”糸”でつなぐ
2012年、有名アパレルブランドでのチーフデザイナーの座を捨て、生まれ故郷の新温泉町に帰ってきた岡本剛二さん。浜坂に構えたアトリエで生み出されるメンズ・ブランド「BLACK LINE」は、全国のセレクトショップで販売されています。但馬牛皮を使ったジャケットや播州織(西脇市)の工房とコラボしたシャツなど、ツボをついたこだわりのある洋服は本当にかっこいい。
岡本さんの夢は、デザインの力で地域を盛り上げること。「これから10年先の未来のことを考えたい。僕にできるのはものづくりの心を伝えること。地元の高校にはたらきかけて、一緒にハギレで作品をつくったりもしています。」
― 帰ってきたい場所は僕らがつくる!
地元の高校生と一緒に作品を制作したり、ランニングで地域の魅力を伝えるサイト「地域を巡RUN?」を立ち上げるなど、精力的に地域活動も行う岡本さん。規模の大小はあっても、東京時代に負けない充実感を感じていると岡本さんは笑顔で語ります。
雑誌「TURNS(vol.4)」で取り上げられたり、テレビ番組「LIFE・夢のかたち(朝日放送)」に密着取材されたり、最近では地元での講演の依頼なども多く注目を浴びている岡本さん。町の「未来創造かいぎ」のメンバーとして、移住受け入れ・まちの魅力発信にも携わるなど、ますます活躍の場を広げています。
事務所の棚に並ぶのは、尊敬する奥山清行氏の本。奇しくもイニシャルは同じ”O.K”。
「子どもの頃は、僕も田舎には何もないと思っていました。でも本当はここにしかないすごいものがいっぱいある。それを全国に発信すれば、それで人が呼び込める。そうした仕組みがある地域づくりができればいいですね。」
「帰ってきたい場所は僕らがつくる!」
LINK UP 岡本剛二
■KOJI OKAMOTO DESIGN OFFICE (HP)http://www.kojiokamoto.com/ (FB)https://www.facebook.com/kojiokamotodesignoffice ■BLACK LINE (HP)http://blackline.jp.net/ (FB)https://www.facebook.com/KojiOkamotoDesignOffice.blackline ■地域を巡RUN? (FB)https://www.facebook.com/chiikiwomegurun ■「ふるさと兵庫すごいすと」記事 (HP)http://www.hyogo-intercampus.ne.jp/sugoist/okamotokoji ■県民運動情報「ネットワーク」知事対談(動画) (HP)http://hyogoch.jp/movie.php?id=1634 |