「アート」でまちづくりを行う拠点施設として、4年目を迎えた「おおやアート村 BIG LABO(ビッグラボ)」。面白い人がたくさん集まる「アート」 × 「農」 × 「食」のまちづくりじっけんしつのご紹介です。
― 「アート」と「くらし」を結ぶ 「じっけんしつ」
旧八鹿高校大屋校の校舎を活用して、平成24年春にオープンした「おおやアート村 BIG LABO(ビッグラボ)」。「アートでまちづくり」をコンセプトに、誰でも気軽にアートにふれることができます。廃校となった校舎・体育館を利用し、多彩なアーティストによる芸術活動の他、ワークショップや企画展・イベントなどを実施しています。
現在、ビッグラボでは「絵画」「染織」「さをり織」「木彫・木工」「書道」「陶芸」など幅広いジャンルのワークショップを開催しています。それぞれの教室に専門のアーティストが先生として丁寧に教えてくれるので、安心してアートに挑戦することができます。ワークショップはおおやアート村 BIG LABOのホームページに予定が掲載されていますので、予約して参加できます。
また、各教室はワークショップ実施日以外は、自由に使用可能。使用料さえ支払えば、開放的なスペースでひとり黙々とアートに励むこともできます。道具もすべて貸し出してくれるので、手ぶらで来館してもOK!(※材料の準備はありません)日頃の喧噪を離れてまったりとした時間を過ごす場所としてもオススメです。地元の子どもたちの遊び場として、マンガ図書室や子ども工作室も開設しています。
「ようやく最近、おおやアート村が但馬外の人たちにも浸透してきたことを実感しています。県外の若いカップルがふらっと訪れてくれることもあるんですよ」とは、NPO法人おおやアート村の理事長を務める田中今子さん。自身もアートが身近にあり、自然豊かな大屋に魅せられて移住した芸術家の一人。アート村に来ると、「アートを身近に感じてもらいたい」という田中さんらメンバーの思いを感じることができます。
そんな願いが実を結び、東京や大阪に出ていたクリエイターたちが、Uターンしてくるケースも増えているそうです。
― 「アート」と「食」のコラボ!cabo 7 cafeがオープン
そんな「アート」と「くらし」をつなぐ実験室の新たな挑戦として、手づくりパンが魅力のカフェがオープンしました。その名も「cabo 7 cafe(カボナナカフェ)」。アート村のある住所(大屋町加保7番地・かぼななばんち)が名前の由来で、地域に根ざした場所でありたいという願いが込められています。
「アート村でやりたいことの一つだったのが、アートと農、食のコラボ。芸術を楽しんだ後に食事をしたいとの声も多かったので、とてもワクワクしています」と、田中さんは話します。
きっかけは1年前。自身の店を構えようと、養父市内で物件を探していたパン職人・森本淳子さんと出会ったことでした。年齢から生まれ月、血液型まで同じ。今まで生きてきた境遇も似ていたこともあり、カフェを共同で経営していくことを決めました。
「初めはこんな山奥でカフェを開くなんてと思いましたが、アート村にはいい意味で変人が多いんです。すぐに私を受け入れてくれました。こんな居心地のよい空間なら、きっといいパンが焼ける、そしていいお店ができると思ったんです」と、森本さんは話します。
共通点が多い二人ですが、性格は真反対。のんびり屋で大らかな芸術家の田中さんと、きっちりと物事を進めたい職人の森本さん。ぶつかることも多いと言います。廃材などを使って、NPOのメンバーとともに自分たちで貸しスペースを改装。紆余曲折しながら、お互いに何でも言い合える関係を築き、無事オープンを迎えました。まるで漫才コンビのようなかけ合いは、訪れた人を笑顔にしてくれます。
― 人が集うのんびりとした空間に
本格オープンして約2ヶ月。「のんびりとしたいろんな人が集う場所にしたい」と言う二人の想いは、着実に実を結んでいます。緑に囲まれた木造校舎の一部を改装したカフェスペースは、とてもあったかい雰囲気でついつい長居してしまいます。取材中も地元の人をはじめ、ひっきりなしに人が訪れ、新たな賑わいの場として人の輪が広がっています。
県立 「但馬長寿の郷」で、16年間パン教室を主宰してきた森本さん。無限の可能性が広がるパンづくりは、「アート」と似ていると話します。フランスパンを日本に広めたフィリップ・ビゴ氏の教室やル・コルドン・ブルーで学び、パンの種類によって粉を変えるといったこだわりよう。地元の朝倉山椒やもろみ味噌などを使い、「ここにしかないパン」「人とは違うパンを出したい」と、日々パンづくりに励んでいます。
「人との出会いが楽しい」とは、二人の共通意見。「初めて会った人同士が自然と会話している。そんな素敵でのんびりとした空間がここにはあります。隣りの人に話しかけるなんて、都会では絶対にありえない。アートがあふれる雰囲気がそうさせるんですかね」。
おおやアート村では、テーマとしている「アート」「農」「食」にちなんだ活動を益々増やしていく予定。手作り作品や地元野菜を販売するショップに、農業体験、キャンプイベント、音楽会などわくわくする催しがいっぱい!たまには喧騒から離れてゆったりアートにふれてみてはいかがですか。
LINK UP おおやアート村 BIG LABO(ビッグラボ)
■おおやアート村BIG LABO(ビッグラボ) [所]兵庫県養父市大屋町加保7 [時]展示場9〜17時 創作棟9〜22時※要問い合わせ [休]水曜(祝日の場合は翌日)、年末年始(12/28〜1/3) [料]展示場観覧料300円 ※ワークショップ体験料は別途必要 [問]079-669-2449 (HP)http://biglabo.info/biglabo3/ (FB)https://ja-jp.facebook.com/ooyartmura ■cabo 7 cafe(カボナナカフェ)(おおやアート村 BIG LABO内) [時]土・日・月のみ開店/11〜19時(12〜3月は17時まで) [問]079-669-2449 (おおやアート村 BIG LABO) (FB)https://www.facebook.com/pages/Cabo7cafe-カボナナカフェ/799372706806489 ※月に1日だけパンはお休み「ル フルーヴ」の洋菓子を販売(8/1、9/5、10/3、11/7、12/5の土曜日) ※おおやアート村では「ル フルーヴ」パティシエ・上垣河大さんの「パティシエが教えるお菓子教室」を開講しています。詳しくはおおやアート村のホームページで。 (HP)http://biglabo.info/biglabo3/ |