香美町の「地域おこし協力隊」として、村岡区長須で「ながす手すき紙プロジェクト」に取り組む本多秋香さん(1977年生まれ)。 神戸生まれ神戸育ちの彼女が但馬の集落で感じる”ものづくりのカタチ”とは?”暮らし”とは?着物がトレードマークでエネルギッシュな、そんな本多さんのお話です。
― ものづくりを通して育む人と地域のコミュニティ
元気で楽しく過ごせるまちづくり
香美町・矢田川沿いにある村岡区長須地区。ここでは約60年前、地場産業として「和紙づくり」が盛んに行われており、当時、障子紙などに用いられた「射添紙」と呼ばれる和紙が生産されていました。
時代の移り変わりとともにその姿を消していくこととなった和紙づくりですが、現在、地域コミュニティのツールとして復活し、村岡区の伝統文化として見直されています。
そのきっかけを作ったのは、神戸市からIターンをして、香美町の地域おこし協力隊として「ながす手すき紙プロジェクト」に取り組む、「本多秋香」さん。
元々「ものづくり」が好きな本多さんは、地元神戸で服飾の仕事をしていた頃、とある機会にふれた「まちづくり」に関心を持ち、この事業に参加することになります。
「同じ『ものづくり』でも自然に還元するものをつくりたい」そう考えた本多さんにとって、「コウゾ」や「ミツマタ」の植物を材料とする和紙づくりは、彼女の求める「ものづくり」にぴったり。さっそく地区の旧公民館を利用した「ながす紙すき小屋」を開設。本格的に和紙づくりに取り組むようになりました。
「最初は、紙すきを始めようにも、生成の知識や道具がほとんど残っていなかったので、本やネットで調べながら試行錯誤しました」と当時を振り返る。
その後は研修へ赴くなど、知識を増やし技術を充実させた。その努力が実り、完全に途絶えていた長須の「和紙づくり」が、新たな形となって地域に芽生え始めた。材料は、昨年から住民の協力のもと、集落内で育てた「花オクラ」を使用。現在は、長須の山に自生していた「楮」の苗木も育てている最中。
さらに、村岡高校では、和紙づくりを地域の伝統文化として伝承すべく、授業科目として取り組むようになったそうです。
「和紙づくりで地域が元気になれば本当にうれしい。これからは和紙づくり以外にも挑戦して、他の地域との交流を増やしていきたい」と、語る本多さんは、ものづくりから発展する地域おこしに魅力を感じ、新しい風を吹かせています。
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