但馬PLACE VOL.22 スミノヤゲストハウス 


近年、全国各地に急増しているゲストハウス。リビングやドミトリーと呼ばれる相部屋、キッチン、トイレなどを共用して利用する「シェアするお宿」が特徴です。雪深い兵庫県香美町小代(おじろ)にも、その土地の特色を活かした「スミノヤゲストハウス」があります。

― 小代に“恋”

「学生時代のゼミ研究フィールド地が香美町小代だったんです。小代は人も温かくて景色も美しく、すぐにファンになりました」と話すのは、スミノヤのオーナーである田尻茜さんです。

大阪府出身の田尻さんは、訪れるたびに小代への恋心が増したといいます。その思いが募り、2016年に香美町の地域おこし協力隊として移住。日々を過ごすうち、年々空き家が増える小代にひとつでも多くの灯りを灯したいという気持ちが芽生えました。

― 空き家に灯りを

「小代の魅力のひとつに、なんともいえないゆる〜い雰囲気があります。これは日帰りでは味わえません。そこで、ここに暮らす人たちと触れ合ってのんびりできるゲストハウスをオープンしようと考えました。私が小代の魅力を伝えるきっかけを作られたら、と思ったんです」と教えてくれました。

建物は20年ほど前まで民宿だった古民家をリノベーション。ゲストハウスの改修費用は、クラウドファンディングで集めました。支援者の7割ほどが地域内からという人気ぶりで、中には「インターネットは分からないから」と家まで持ってきてくれる住民もいたとか。

― 旅行者も、住民も

木造2階建て古民家の1階部分に宿泊でき、ごはんは宿泊者とオーナーが共同で調理します。宿泊客が簡単な調理手伝いをしていると、ふらっとご近所さんが来ることも。田尻さんは「部屋数は2部屋、10名様までの小さな宿です」と笑いますが、このアットホームさも人気の理由です。

小代にある2つのスキー場には、どちらも車で10〜15分といった好立地。冬季には多くのスキー・スノーボード客が訪れます。

― 小代をおすそわけ

「何かに挑戦するときに、応援してくれる人たちがいてくれることは本当に心強いことです」と田尻さん。そんな人たちがいる地域で暮らせる幸せを気づかせてくれました。

旅行者も地域住民も分け隔てなく受け入れるスミノヤゲストハウス。月に1、2回ほど日本酒やハーバリウムなどのワークショップも開催しているので、気軽に訪れてみてはいかがでしょうか。小代の暮らしをおすそわけしてくれますよ。

LINK UP スミノヤゲストハウス

■スミノヤゲストハウス
[所]兵庫県美方郡香美町小代区貫田197
[問]080-6122-4014
(HP)https://www.suminoya55.com/
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