但馬CULTURE VOL.39 温泉街でアートなまちづくり


自然やまち並みなどの文化的資源を活かしたアートによるまちづくり。建築、造形、ダンス、演劇、音楽などのアートと地域との関わり方は様々です。アートと地域にはどんな関係が生まれるのか、どのようにして地域に結びつけることができるのか。今回は兵庫県新温泉町で進められているアートなまちづくりの現状を追いました。

― 隅々まで歩いて魅力発見

今から約1200年前、慈覚大師が開湯したと伝わる、山陰の名湯「湯村温泉」。温泉街のシンボルである源泉「荒湯」からは、98度の高熱泉が毎分470リットルも絶え間なく湧き出ています。

そんな湯村温泉を有する兵庫県新温泉町では、自然やまちなみの大切な景色を守り育てていく景観形成を進めてきました。毎年恒例となっている「全日本かくれんぼ大会」も、“隅々まで歩いて温泉街の魅力を見つけてほしい”という思いからスタートしました。

―体験型観光『You-murART』

平成24年に始まった「湯村温泉 幸せの隠れハートを探せ」も、そんな想いから生まれたイベントの1つ。最初に、宿泊した旅館もしくは企画加盟の飲食店に設置されている店名入りのハートをスマホやカメラで撮影。それから温泉街に隠れているハートを5つ見つけて撮影すると、特製タオルなどの記念品がもらえます。

平成27年度からは体験型観光を目指したまちづくり『You-murART』の取り組みが進められています。ユニークなキャッチコピーと合わせて温泉街の商店を紹介する「商店面白ポスター」や、SNS映えを意識したフォトスポット「YUMURAロゴモニュメント」、「3Dトリックアート」など、楽しい仕掛けが温泉街に登場。この夏には「+」マークの両側にカップルが立つと、合計がハートのマークになるオブジェも登場しました。

―夜も幻想的な湯けむりの郷

また、夜は温泉街を流れる春来川と荒湯の周辺がライトアップされます。湯村ライトアップは、「東京タワー」や「明石海峡大橋」などを手がけた照明デザイナーの石井幹子氏がデザイン。昼とは違った幻想的な空間が味わえるので、光の芸術を楽しみながら夜の散策をゆっくりと満喫しましょう。

温泉はもちろん、どこか懐かしい情緒溢れる湯けむりの郷。今後も新しいイベントを企画中なので、カメラ片手に歩いてみてはいかがでしょうか。

LINK UP 温泉街でアートなまちづくり

■湯村温泉観光協会
[所]
兵庫県美方郡新温泉町湯98
[問]0796-92-2000
(HP)http://www.yumura.gr.jp/

 

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