但馬STYLE VOL.50 たじマート 《豊岡市》

Tweet

「たじマート」はインターネットショップから始まった団体です。「たじマート」という名前には、但馬地域にあるお店や人が集まる場所にしたいという思いが込められており、兵庫県豊岡市にあるシェアハウス「大開ハウス」の運営をしながら、地域の人々がつながれる場所づくりに日々取り組んでいます。

―たじマートとは

2019年の7月に「たじマート」は発足しました。発足当時、コロナ禍の影響で豊岡市の農園や観光地から訪問客が減っている話を聞いたことをきっかけに、インターネットショップを通じて全国に果物やお土産などの販売を始めたそうです。

「インターネットショップから、お客様が増えて喜んでもらえたことを機に、地元の方にも地域にどういった事業所があるのか、知ってもらう機会を作りたいという気持ちが生まれてイベントの開催を決めました。2023年からは、廃業したホテルを利用したシェアハウスの運営を始めて、定住もテーマの１つになりました」と教えてくれたのは、たじマートの竹中有里さん。運営を、兄の竹中友規さんと二人で行っています。

竹中さんは「たじマート」での活動以前は都心部で生活をしており、Uターンをして改めて豊岡の魅力に気付かされたそうです。「海も山もあり、自然豊かな場所というのは全国的に見ても貴重な環境です。自分の仕事をしながら海や山の趣味を楽しんでいる方がおられて、そんな生活が実現する豊岡に人が増えてほしいと思っています」と竹中さん。そのためにもイベントを開催し、人とのつながりが増えるようにしたいと話します。

―フリーマーケット×体験型演劇

(画像：2024年7月27日に開催した「豊岡フリーマーケット2024夏の出店風景」）

たじマートが運営しているイベント「豊岡フリーマーケット」は、2023年から始まりました。出店者を募り、主に手作り品や不用品などの販売をしています。第2回目となった2024年7月のイベントでは『豊岡フリーマーケット2024夏×水かけバトルショー「波浪、WORLD!!」』と題して、体験型の演劇を同時開催しました。

演劇をイベントに取り入れたのは、「大開ハウス」の入居者のアイデアからでした。駅から近く、立地のいい「大開ハウス」は、芸術文化観光専門職大学の学生が多く入居しています。ある時入居者と話をしていると、物語を書くのが好きな方や、照明が得意な方がいたりと、さまざまな才能を持っている人たちであることを知った竹中さん。同時に、演劇を行うための場所や設備などの確保は簡単ではないことを知り、入居者のアイデアを実現できる場所を作りたいという思いが芽生えました。

「但馬内外からたくさんの方が学びにきているので、地域の方とつながるきっかけになればと思いました。特にこだわったのは、演者に対して出演料を支払うこと。自分たちのアイデアで地域貢献ができるという経験をしてほしかったからです」という竹中さん。

出店者を募ったフリーマーケットと、水鉄砲を使った体験型の演劇イベントは親子連れの方が多く、総勢で30～40名ほどの方が訪れたそうです。

(画像：2024年7月27日に同時開催した、体験型演劇『水かけバトルショー「波浪、WORLD!!」』の演劇風景）

「今回は演劇という新たな試みもあって、反省点も多くありました。一番は大きなステージを組みましたが、演劇だけではもったいなかった点です。ステージ発表をしてくれるような人を呼んでもよかった。それでも演劇のイベントに参加した子どもたちが楽しそうにしてくれていて、うれしかったです。よい経験ができたと学生の方に言ってもらえたのも励みになりました」と振り返る竹中さん。その思いは強く、再びフリーマーケットと演劇のイベントができればと試行錯誤されています。

―新たなコミュニティ形成

イベントの反省点を挙げていく中で、地域の方を集めるという要素が薄く、次の課題になったとのこと。課題改善のため、現在シェアハウスで使っていないスペースをコワーキングスペースにして、コミュニティ形成の場をつくり、人が集まりやすい環境を目指していると言います。

「イベントもシェアハウスも、好きなことに一生懸命取り組んでいる方に集まってほしいと思っています。最近は新しいお店も増えました。こだわりを持って開業している方が多いので、地域の方が知る手助けができたらうれしいです」と竹中さん。

今後のイベントについて聞くと「フリーマーケットや演劇だけでなく、コワーキングでも考えがあります」とアイデアが溢れている表情は明るく、期待が膨らみます。但馬の新しいお店や、まだ知らないことが発見できるかもしれません。イベントの告知はリニューアルしたHPをメインにされるそうです。リニューアルは3月上旬予定です、お楽しみに。

LINK UP  たじマート 《豊岡市》