但馬STYLE VOL.3 松本 智翔さん《朝来市》


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全国的な人気を集める朝来市の竹田城ですが、その城下町の商店街の賑わいは遠ざかったまま。空き家がでたり取り壊されたり、かつての風情が失われつつあります。そんな商店街の端の端に、地元の若手3組と共同で「竹田劇場」を立ち上げた松本智翔さん(1975年生まれ)。日蓮宗法延山・妙泉寺の僧侶でありながら、建築士としての一面ももつなど、複数の”わらじ”をはきまくりの松本さんのお話です。

― 不利をマネジメントできたら、まちの価値はきっと再生できる

 松本さんは朝来市生まれ。日蓮宗法延山・妙泉寺の僧侶でありながら、建築士・ヘリテージマネージャーとしての一面ももち、建築を中心に家具、グラフィックのデザインも手掛け、「竹田劇場(竹劇)」の共同代表でもある。まさに”多才”という言葉がぴったりな人物です。

 そんな松本さんが地元の若手3組で共同代表として2012年11月にオープンした「竹劇」は、今や全国から観光客が訪れる「竹田城」のかつての城下町・朝来市竹田の商店街の一番端にあります。その商店街はというと、「竹田城」の人気とは対照的に、賑わいは遠ざかったままで、空き家がでたり取り壊されたり、かつての風情が失われつつあります。松本さんたちは何故、そんな場所で「竹劇」を立ち上げたのでしょうか。

 「城下町の風情は町屋の連続性にあります。ところが空き家がでたり取り壊されたり、そんな風情が失われていく。「竹劇」はまちの端の、普通に考えればお店を経営するにあたって不利な場所で、加えて建物自体も歴史的にも価値のないものです。でも、あえてそんな所で「竹劇」をマネジメントできたなら、きっとまちの価値が再生できると思ったんです。」

― クリエイターが集まる場所。本来あったものにあたらしい価値を見つける

 「竹劇」の1階は喫茶スペース「キャッスル」と花屋「木まもり」。喫茶スペースは、センスの良いレトロ風な落ちついた店内で、不定期で自主製作映画の上映も行われます。そして2階には北欧系雑貨とアメリカ西海岸スタイルの雑貨店「CIRCLE LINE」が並ぶとても楽しい構成です。

 ”この「竹劇」はクリエイター集団「TRUSS」の活動拠点にもなっていて、現在のメンバ-は約16名ほど。職業は”グラフィック・ウェブデザイナー”に”音楽家”、”大工”に至るまで様々で、それぞれが”技能”とコネクションを活かしながら仕事を請負い、新たな仕事を創り出しています。メンバーは随時募集中で、事業スペースの貸し出しも行っています。

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 「空家問題、地場産業の復活、地域には様々な課題があります。このまちに本来あったものにあたらしい価値を見つけることで、ここに住む意味ができる。問題の解決にもつながると思うんです。その種まきをしていきたいですね。」

 Iターン・Jターンのための空き家再生活動も行ってきた松本さんの周りにはいつも個性溢れる仲間が集まります。今日も「竹劇」には楽しい仲間が集まって、但馬の新しい魅力が生まれています。

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LINK UP 松本 智翔

■竹田劇場・喫茶キャスル
[所]兵庫県朝来市和田山町栄町19-2 [時]10〜18時 [休]木曜 [問]079-674-0076

(HP)http://takegeki.jugem.jp/
(FB)https://ja-jp.facebook.com/pages/竹田劇場喫茶キャッスル/390783944369104
■TRUSS (HP)http://danne.jp/
■51%er(松本智翔さんのブログ) (HP)http://51er.blogspot.jp/

 

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