但馬STYLE VOL.28 高垣 茂光さん《新温泉町》


兵庫県新温泉町千原の国道沿いにある「高垣自転車店」をご存知でしょうか。但馬では珍しいスポーツ自転車専門店として、地域に自転車の楽しさを伝える店長の高垣茂光さんにお話を聞きました。

―スポーツ自転車の世界

ロードバイクやマウンテンバイクなどに代表されるスポーツ自転車。環境に優しく広い年齢層が楽しめるスポーツとして近年人気が高まっています。
「父が創業した自転車店ですが、最初から自転車に興味があったわけではありませんでした」と高垣さん。魅力に気がついたのは、交通事故により目指していた格闘技プロを断念してからだといいます。

「元々持久力や筋力を鍛えるトレーニングとして自転車に乗っていたので、体力には自信がありました。ですが、初めて出場した自転車レースでは全然思うように走れなかったんです」
自分の弱さに涙が出たという高垣さんでしたが、同時にペダルを漕ぐ苦しさや爽快感に自分の生き方を導かれたといいます。

―地元でもサイクルスポーツを

そんなサイクルスポーツを自分が生まれ育った但馬に普及させるべく、自転車の販売以外にも主宰する自転車クラブ「HEART BEAT Company」を通して、乗り方の指導も行っています。この自転車クラブはサイクリング活動などを中心にする「HEART BEAT Equipe但馬」と、但馬唯一の自転車実業団としてレースに参加する「HEART BEAT Racing但馬」からなり立っています。現在15〜60歳の幅広い年齢層の男女が参加しており、今年創立30周年を迎えました。

近郊サイクルイベントへの参加や練習会の実施をはじめ、地元薬局協力のもと女性に向け講習会を開くなど、地域と共にスポーツ自転車を盛り上げている同クラブ。高垣さんが持つ「SBAA PLUS」資格はスポーツ自転車に関する高い知識と技術を認めるもので、組立整備だけでなく交通ルールに即した正しい乗り方指導も行うことができます。

―自転車を楽しむ人を作りたい

「HEART BEAT Company」チームユニフォームには、スポンサーとなる地元企業のロゴマークが入っています。地域に見守られ、長きにわたって自転車クラブを継続できたのは「次に続いてくれる“人づくり”を大切にしてきた結果ではないでしょうか」と振り返ります。

「自分たちが自転車を楽しむことはもちろんですが、それだけでは組織は続きません。新しい人から、自分では思いつかなかった視点を教えてもらったこともたくさんあります」
体型も目的も違うメンバーからの要望に、柔軟に応える姿勢。そこには、「自転車は楽しく乗るものだ」という信念がありました。

―人と車体が一体となることを目指して

「スポーツ自転車は、自転車が体に合うように調整する“フィッティング”が最も重要になります」と、高垣さんは言葉に力を込めます。一般的なシティサイクルとは違い、スポーツ自転車の機体は身長や足の長さなどに合わせて細かく調整されるため、人と車が一体になることで総合的な性能が決まるといっても過言ではありません。

「選手として走るのはもちろんですが、整備士として、自分が整備した機体が表彰台に登ると喜びを感じますね」と高垣さん。これからも自転車に夢中になる人のサポートをしたいと語る高垣さんは「だって、自転車は楽しいですからね」と笑います。自分の力でどこまでも進んで行くスポーツ自転車で、あなたも漕ぎ出してみてはいかがでしょうか。

LINK UP 高垣 茂光さん

高垣自転車店
[所]兵庫県美方郡新温泉町千原632-1

[時]平  日 10:00~20:00
土日祭日 12:00~20:00
(時間内に電話連絡があれば延長可)
[休]水曜
[問]0796-93-0651

(HP)http://www.takagakicycle.com/
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