但馬CULTURE VOL.30 水揚げ量日本一のホタルイカ


春の訪れを告げる食材として知られる「ホタルイカ」。実は新温泉町の浜坂漁協は、特産として有名な富山全県に匹敵するほどの漁獲量を誇っており、水揚げ量が日本一に輝いたこともあります。

― 夜の海に宝石のように輝くイカ

海の妖精ともいわれるホタルイカは、胴の長さが6〜7センチとごく小さなイカです。日本近海に広く分布し、普段は主に沖合の水深200mよりも深い海域に生息しています。「ホタルイカ」という名の通り刺激を受けると青白い光を放ち、漁の際に海面を幻想的に染め上げます。

ホタルイカの発光器の構造は3つの種類に分けられ、それぞれ腕発光器、眼発光器、皮膚発光器と呼ばれています。なぜホタルイカは光るのでしょうか。理由は威嚇や、外敵から身を守るためだと考えられています。網であげられたときに光るのは威嚇発光で、この時の光り方はかなり強烈。腕の先端部分にある大きな発光器から、まばゆい光を発光します。一方保身の時は、体全体に800個ほどある発光器から淡い光を発します。発光の理由としては、身を守るため・身を隠すため・仲間同士の会話のためといった3つの理由が考えられていますが、その全容はまだ謎が多く現在も研究が進められています。

― 日本一の漁獲量

そんなホタルイカは富山湾の特産として知られていますが、新温泉町の浜坂漁協は、富山全県の水揚げ量に匹敵する漁獲量を誇ります。水揚げ量が日本一になったこともあり、春の旬として各地に出荷されています。

3月から漁が始まり5月ごろが旬。鮮度の落ちが早いのでほとんどが茹でられて出荷されますが、地元では生の刺身としても食べられます。ホタルイカの味はあっさりと淡白な味。かみしめるとほのかな甘みが口に広がります。一方、内臓はうまみ成分の一つであるアミノ酸が多く甘みが強いので、はらわたごと味わうと特においしさが感じられます。生ならコリッとした歯ざわり、茹でればムッチリとしたうまみが楽しめます。またビタミンA・Eが豊富でカロリーが低く、健康に良い食材です。

― 春の訪れを告げる味覚

料理法も様々に楽しめます。茹でたホタルイカをそのまま酢味噌・生姜醤油で食べるのが一般的ですが、天ぷら、かき揚げ、炊き込みご飯、寿司などにしても、美味しく食べられます。

新鮮なホタルイカを味わいたい方は、ぜひ毎年4月初旬に浜坂漁港セリ市場で開催される「浜坂みなとほたるいか祭り」に出かけてみてはいかがですか。ホタルイカを使った料理のほか、ホタルイカを大釜で茹で上げた「大釜揚げ」などホタルイカざんまいの多彩な催しが行われています。また、ステージでは多彩なアトラクションがあり、大人から子供まで楽しめます。他にも海産物や、農産物、特産物の販売コーナーや、お楽しみ抽選会もあり、春の味覚を思いっきり楽しめる1日となります。

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■浜坂漁業協同組合
[所]兵庫県美方郡新温泉町芦屋663−1
[問]0796-82-3020
(HP)http://www.hamasaka.gr.jp/gaiyo/gaiyo.html

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