但馬STYLE VOL.20　中嶋 由紀さん《豊岡市》

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本日ご紹介するのは、豊岡在住のピアニストであるとともに音楽を通じた地域づくり活動を行っている中嶋由紀さん（1975年豊岡市生まれ）です。

―　生まれたときから一緒だった音楽

　最近、ホームコンサートを始め、喫茶店やレストラン、お寺などいろいろなところで、コンサート・ライブが行われており、以前よりも気軽に音楽を親しむ機会が多くなってきました。地元のピアニスト、中嶋さんも活躍中です。

　中嶋さんは、お母さんがピアノの先生で、生まれたときからピアノの音色に包まれ、4歳からピアノを習いピアノが友達のように育ってきました。

―　「豊岡1925」でピアノを演奏したい

　音楽を活かした活動をしたいと考えるようになったのは、大学生の時、バンドマンのお兄さんに頼まれて、お兄さんのバンドに出演したのがきっかけです。ピアノを弾いて歌うことはなんと楽しくて気持ちのいいことだと、同じピアノを弾くなら楽しくなければと確信するのです。卒業後、大阪にいて音楽活動をしていましたが、現在は、豊岡で学校や音楽堂などでピアノの講師をしながらライブなどを行っています。

　頃は同じくして、豊岡市役所の改築に合わせ、1925年の北但大震災の復興建築として建てられた旧豊岡市役所南庁舎（近代化遺産で兵庫農工銀行豊岡支店）も昭和の時代にタイムスリップできる「豊岡1925」としてリニューアルされました。1階は吹き抜けスペースで大きな時計は北但大震災の時を示しています。
中嶋さんは「豊岡１９２５」がオープンしたときどのような雰囲気だろうと足を運びました。「ここでピアノ演奏ができればどんなにいいことだろう。ピアノがあれば人が集い、繋がり、仲間ができ、交流もできる。ぜひ、ピアノをおきたい」と思いは募りました。そこでフルートとピアノのコンサートを開催してみました。自分が思っていたように、「豊岡1925５」の空間と共鳴し合い、すてきなコンサートとなりました。しかし、「豊岡1925」にはピアノがなく、持ち込みでのコンサートでした。
「いつでも誰でもクラシックを中心としたコンサートが気軽にでき、音を奏でることができる。また、だれもが良い音楽を聴けることができる」と、そのような思いから、「豊岡1925」にピアノの設置を交渉してみましたが、願いは届きそうにありません。
よしそれならば、自分達で動いてみようと、企画運営も好きな中嶋さんは乗り出しました。今までの活動で、湖に石を投げ込んでできる波紋のように、動いたら何かが動くという状況なので、自分にしかできないことを自分からアクションおこしました。

―　新たな試み、「ゼロの学校」

　「ここにピアノを置こう、みんなのピアノとして」“一般社団法人ワンノート豊岡”を立ち上げました。「一つずつの音が、音楽を愛する一人ひとり。そんな一人ひとりが音楽で出会い、繋がる。音楽で人と街が繋がる」の合い言葉で中嶋さんは“みんなのピアノ１９２５”に寄付金を募っています。
そして、「寄付金活動は、顔が見えて直接お礼が言える。新しい出会いがあるものにしたい」と楽しみにしています。

　「ワンノート豊岡」は、コンサート企画や教育活動も活動目的であり、中嶋さんは、豊岡市中心部の古民家の2階で自由かつ楽しく学ぶ学習所、「ゼロの学校」を立ち上げました。それは、「学びの場」「教えの場」を提供して、大人も子どもも、どなたでも生徒で先生になります。「学生時代に数学が不得意だったのでやり直したい」というのも大歓迎。大学・高校進学塾と少し違います。黒板は手作りするなど工夫を凝らした教室となっています。いまは、数学と英語の教室が9月1日から始まりますが、近々音楽の教室も予定されており、中嶋さんの出番もあります。
1階は、コミュニティスペースやカフェなどになる予定です。

　歌を歌いピアノを弾いている姿はとても楽しそうです。そしてその姿は、ピアノと中嶋さんがひとつになっているようで聴いている方もたいへん楽しく引きつけられますよ。
みんなのピアノ1925の寄付金は募集中です。子どもの頃に戻って学びたい方や子ども達も「学びの場」の「ゼロの学校」へ、是非どうぞ!皆様のお越しをアクティブな中嶋さんが待っておられますよ。

LINK UP　中嶋 由紀