但馬STYLE VOL.16 谷垣 友美さん《養父市》


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本日、ご紹介させていただくのは、但馬で唯一の紅茶専門店 “T’s Room”の谷垣 友美さん(1986年生まれ)です。但馬には地場産の紅茶「生野紅茶」が販売されていますが、最近、竹田劇場内(朝来市)に紅茶専門店の紅茶と手づくりケーキの喫茶店“T’s Room”ができました。 店内は甘いスィーツの香りと、紅茶の香気に包まれゆっくりと時間が流れています。 そこで、紅茶をたてているのが、谷垣友美さんです。

― 1冊の本が紅茶の世界へ導く

 谷垣さんは本が好きで、幼少の頃からよく本を読んでいましたが、その時に読んだ1冊の本が今の紅茶の専門店をだすきっかけになったのです。 その本は、イギリスが舞台で子どもだけで旅行に行く内容で、「緑色の休み時間」という本です。そこに出てくるイギリスの景色や紅茶などが谷垣さんの心を踊らせ、興味を持つようになり紅茶の世界へと扉を広げました。

 紅茶の茶葉は、生きていて、収穫できる地域の気候や土壌、摘み取る時期によって紅茶の香りや味などが違ってくるのです。 紅茶に興味を持って初めて購入した「紅茶のおいしいたて方」という本には、生産国、味、香りなどの紹介はもちろん、美味しい入れ方、ポットやティカップ、茶葉の摘み取り方など、詳しく紹介してありました。しかし、もっと知りたいという気持ちがどんどん増し、紅茶に関する本を次々と、購入し、むさぼり読むうち、いつかは紅茶専門の喫茶店を持ちたいなぁと思うようにもなりました。

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― 自分が一番したいことは"紅茶"!

 高校2年生で進路を決めるとき、本が好きだった谷垣さんは、図書館司書になる夢を持っていましたが、子どもの頃読んだ「緑色の休み時間」の紅茶のことが心の中にずっと残っていて、どちらに進もうかと悩んでいました。その時、進路指導の先生から「手に技を持つのもいいのでは」と背中を押してもらって紅茶の道へと進むことを決めました 。

 高校卒業後は阪神間の喫茶店に勤め、紅茶を立て方など、1から学んでいくつもりでしたが、なかなかそのようなチャンスはやってきませんでした。ケーキ作りをして、パティシエの資格を取得したのですが、やはり自分が一番したいことは紅茶、紅茶をもっと詳しく知りたい、美味しい紅茶をたてたいとの思いがますます強くなり、茶葉から作っている茶店へとドアをたたくのでした。そこで、茶葉の摘み取りから、美味しい紅茶の立て方、また、紅茶に合うケーキなどを勉強し、充実した日々を過ごしました。 しかし、地元を離れるときに、30歳までには田舎へ戻るつもりをしていましたから、2年前ふるさと八鹿に帰ってきました。

― 但馬で念願の紅茶専門店をオープン

 谷垣さんは、地元に帰ってきて全く違う仕事に就き、一生懸命取組みましたが、なんだか心がもやもや。このままで良いのだろうかと葛藤が起き、今までの経験をもっと活かし多くの人に美味しい紅茶の味を知ってもらえるようなお店を持ちたいとの思いがどんどん募り、自分のやりたい道に挑戦するため、会社を辞めました。

 さて、辞めたものの、どのように夢が実現できるのか思い悩んでいたところに、竹田劇場のオーナーからお店を出さないかと声を掛けられ、夢だった紅茶専門のお店を昨年の12月23日にオープンすることが出来ました。 オープンして半年、谷垣さんは「まだまだこれからです」と夢が膨らんでいます。

 また、生野紅茶の生産者とも出会い、今までの自分の経験を生かし、茶葉の摘み取り、寝かし方など協力して、リニューアルした「生野紅茶」が誕生しました。 8月の上旬に“T’s Room”でデビューします。

 パティシエでもある谷垣さんは、美味しいケーキも手作りし、茶葉の特長を活かした紅茶をそれぞれの味、香りに合った器に注ぎ、みなさんのお越しを待っていてくださいますよ。 竹田城跡とレトロでゆったりと時を過ごせる竹田劇場にぴったりの紅茶専門店“T’s Room”にぜひ足を運んで、日頃の疲れを癒やしてはいかがですか 。

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【アフタヌーンティーコンサート】(要予約)
Asago国際音楽祭に参加で、2016年7月21日(木)15:00開演
*料金:入場1,000円+(ケーキと紅茶セットとして1,200円)=2,200円。

LINK UP 谷垣 友美

■“T’s Room”
[所]兵庫県朝来市和田山町栄町19-2[問]079-677-2333

■Asago国際音楽祭実行委員会FB
(FB)https://ja-jp.facebook.com/Asago国際音楽祭実行委員会-235980543168625/

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