但馬PLACE VOL.9 あさご高校社会活動部


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兵庫県朝来市で活動している、架空の高校『あさご高校』の社会活動部。地元高校生が中心となり、地域に広がり続ける部活動が、もうすぐ二年目を迎えます。

― 地域の集まりから、学生が発信する“部活動”へ

 2015年2月から始まりました『あさご高校社会活動部』。この“あさご高校”は特定の高校ではなく、朝来に興味を持ち学ぼうとする、地域の高校生有志が参加するチームの名称です。ユニークなネーミングは高校生によるもの。卒業すると地元を離れる若者が多い中、サポートをする大人の「自分たちのまちを語れるようになる。またその先に自分自身のことを語れるように。」との思いを受け、現在7名の学生が活動しています。

 活動は月に2回ほど。朝来市地域おこし協力隊が中心となり地域の人と開催した食のイベント『あさごはんの会』をきっかけに、高校生が中心になり継続した活動ができるようにと『あさご高校社会活動部』が立ち上げられました。

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― 自分が育った町を想って。感謝の伝え方

 メンバーの梶原菜々子さんを中心に、1日限定の高校生カフェが開催されたのは2016年の3月のことです。メニューでは、地元の道の駅などでフィールドワークした食材を使用。カフェの名前を『菜の花』とし、花言葉の「小さな幸せ」・「快活」を伝えるにはどうすればいいのか、入念な打ち合わせをして当日をむかえました。

 場所は朝来市山東町にある、郷土料理屋『百笑茶屋 喜古里』のはなれを借りました。20席ほどの席はすぐに埋まり、当日の集客数は70名を超えたそうです。住民が集まることで客同士の気遣いも生まれ、席を立ったあとも、戸外で住民が会話を楽しんでいたとのこと。目標を実行するために、自分たちには何ができて何ができないのか。高校生自らが考え、学び取っています。

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― 朝来の暮らしを3日間で体験できる企画をプレゼン

 そして8月には、神戸市で開催された全国高等学校観光選手権大会で、堂々としたプレゼンを披露しました。この大会は、高校生が考えるオリジナルの体験型観光プログラムの企画力を競う大会で、書類審査を突破した各高校が12分間ステージ発表します。全国62校が参加し、113プラン中ベスト8に輝き銅賞を受賞。この健闘に対し、朝来市から朝来市まちづくり功績者表彰「ちゃすりん賞」が贈られました。

 「天空の城」竹田城跡や、雑誌の住みたい田舎ランキングで総合1位を獲得するなど、注目を集める朝来市。田舎への移住を検討する家族を対象にした『朝来で暮らす3日間の旅~地域とつながる田舎体験プラン~』は、朝来市の移住・定住施策の課題を埋めるプランで、地域住民と苦楽を共にすることで田舎暮らしの楽しさや、都会との暮らしの違いを体験しスムーズな移住へとつなげる企画です。

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― 高校生の『やりたい』を叶える場所

 知ったつもりでいた自分たちのまちの魅力。活動をする中で出会った景色や、大人と関わるなかでその魅力は自身の中に取り込まれ、愛着が増していくといいます。最近では、地域の住民から自発的な手伝いの申し入れや、提案の声が上がるように変化していきました。高校生のひたむきさが大人を動かし、活動が広がりをみせています。

 『あさご高校社会活動部』は、朝来市に興味を持つ高校生なら誰でも参加可能です。新入部員はいつでも募集中。興味がある学生は、どうぞ実際に活動している部員たちの話を聞いてみて下さい。ただ大人に導かれるだけではなく、自らが疑問をもち、考え、行動する生徒。そんな学生が育っています。

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LINK UP あさご高校社会活動部

■あさご高校社会活動部
[問]朝来市市役所 産業振興部観光交流課 地域おこし協力隊 篠原まで
電話:079-672-4003 メール:shinohara-ryohta@city.asago.hyogo.jp
(FB)あさご高校社会活動部FaceBook
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