井原西鶴の『好色一代男』


 

『夢但馬2014』事務局です!
「花も月も美しいのは一瞬ではかないもの。但馬の生野銀山の近くの村から京都に出て、寝ても覚めてもキレイな女や少年と遊びほうけ、夢介と呼ばれる男が、・・・・・・」

江戸時代の大流行作家、井原西鶴の『好色一代男』(1682年)の冒頭です。代々家を継いでいくことが重要であったろう江戸時代に、夢介の息子・世之介は結婚もせずに、お気楽なシングルの身で日本中を放浪し、自由奔放な女あそびを繰り広げるのです。

江戸文学の最高傑作と言われ、お江戸の庶民に大人気だったこの物語の主人公・世之介のルーツの地が、但馬・生野だなんて、スゴイことだと思いませんか? 
原文では“但馬のかねほる里”となっていますが、当時、佐渡金山(新潟県)や石見銀山(島根県)と共に、江戸幕府直轄の奉行所が置かれていた生野銀山(朝来市)は、みんなが知っている“但馬のかねほる里”だったんでしょうね。スゴイなあ。

今年の夏の課題図書に、『好色一代男』いかがですか。(K)

参考:「鉱石の道・日本近代化の原点はここにあった」
http://www.koseki-michi.com/info/img/P3_P6.pdf

画像提供:朝来市(生野銀山絵巻)