夢千代日記


 『夢但馬2014』事務局です。
広島にある2つの原爆養護ホームに、湯村温泉がお湯のプレゼントをされていること、ご存じでしたか? 入所されている方々に足湯を楽しんでいただくため、1992年から毎年、10トンものお湯をダンプで広島まで運んでいます(今年は7月23・24日に実施済み)。

この取り組みのキーパーソンは「夢千代」さん。
私は、湯村温泉に立っている着物姿の銅像の「夢千代」さんがどんな人なのか全く知りませんでした。32年前(1981年)に放映されたNHKドラマ「夢千代日記」のことをよく知らない世代なのです。「夢千代日記」の主人公・夢千代さんは、広島で胎内被爆し、体調不良に苦しみながらも必死にいのち燃やして、湯のまち・湯村で自立して生き抜いた女性として描かれていたことを知って、びっくりしました。女優の吉永小百合さんが「夢千代日記」での主演を機に、原爆詩の朗読をライフワークとして取り組んでおられることも合わせて知りました。

明日は8月15日、戦没者を追悼し平和を祈念する日です。68年経った今も、被爆者手帳をお持ちの方が20万人以上もおられるという現実。もし私が、お母さんのおなかにいるときに被爆してこの世に生まれ、母の残したお店を背負って生きているんだとしたら・・・。せめて夢千代さんの人生を自分に引き寄せてイメージすることで、多くの方の痛みをたとえほんの少しでも心と体に感じるくらいはしたいと思います。

夢千代さんに思いをのせて、平和の祈りが世界に強く強く強く響きますように。(K)

写真提供:新温泉町。原爆養護ホームで足湯を楽しんでおられるみなさんの様子、写真では見えにくいですが、足下にお湯の入った大きなたらいがあります。にこにこ微笑んでおられ、気持ちよさそうです。