冒険家・植村直己と食


『夢但馬2014』事務局です。
明日で8月も終わり。夏の終わりのセンチメンタルな気分と、そろそろ芽生えてくる秋の食欲を感じながら、読書などいかがですか? 事務局のオススメは、豊岡市日高町生まれの世界的冒険家・植村直己(1941?1984年)の本です。

「食べものは絶対に残さない」、「世界のどこに行っても現地の人と同じものを食べる」。植村直己の「食」への態度はとても印象的です。

北極では世界三大臭料理の一つとも言われるキビヤックを食べます。キビヤックの作り方(※下記参照)を知ると、私には食べるなんて到底ムリ、必死に鼻を押さえて尻込みすること間違いナシなのですが、植村直己は、尊敬するエスキモーと同じものを食べ、それが大好物になるくらい自身の体を北極の環境に適応させていくのです。すごいことです。

今もし、植村直己さんが生きてらしたら72歳。日本や世界の各地に伝わる保存食や郷土食、在来種の野菜などの保護・普及活動にも尽力されるのではないかと、ふとそんなことを思います。私たちは植村直己から、食べもの・いのちのことも学び、未来に向かって何を大切にすべきなのか考えたいと思うのです。(K)

(※)キビヤック:アザラシの皮(皮下脂肪付き)を生のまま袋状にまるめる。その中に、アパリアスという鳥を生のまま入れて密封、屋外で1年以上放置・発酵させる。エスキモーが特別なときに食べるごちそうとのこと。

写真提供:植村直己冒険館
http://www3.city.toyooka.lg.jp/boukenkan/