「豊岡1925」開館


『夢但馬2014』事務局です。
「初めて豊岡に来てこの建物を見てすぐに決めました。豊岡に暮らし始めてまだ2週間くらいですね」 こう語るのは、明日18日にオープンする「豊岡1925」のマネージャー、大蔵幸司さん(1973年生まれ)です。「豊岡1925」はお菓子をテーマにした飲食と宿泊の複合施設。地下にはカウンター8席の隠れ家的BARもあります。大蔵さんはここのマスターもされます。

大蔵さんは大阪生まれ、大学を卒業後、関東でホテルの仕事につきます。黒服を任せられるようになります…が、学生時代に出会ったBARの記憶がよみがえり、ホテルをやめて北新地のバーで修行します。店長を歴任後、34歳の時に独立。西天満でSPEAK LOWという人気のオーセンティックバーを経営します。

そんな大蔵さんに、豊岡のまちに残る近代建築を改修して新たにオープンする話が舞い込むのです。大蔵さんが一目惚れしてしまったこの建物は、1925年の北但大震災で焼け野原になった豊岡のまちの中心に、当時の建築技術の粋を尽くして建てられた建物です(設計:渡辺節)。今どんなにお金を出しても再現できない良さ、「積み重なった時間の重み」が漂っています。

この空間で、お菓子や料理、宿泊の場を提供し、夜はBARで上質な時間を過ごしてもらうことは、BARのマスターという立場を越えて最高にやりがいがある。「多くの方にお越しいただきたい。期待値上げてBARにも来てください、北新地クオリティを但馬価格で楽しんでいただきますよ」大蔵さんは笑顔で語ります。城崎の地ビール・グビガブや、香住鶴や竹泉などの地酒も取りそろえるそうですし、橘(※)を使ったモスコミュールなども考えているとのこと。 

さあ「豊岡1925」、ぜひ訪問してください。しつらいのあちこちにこだわりがいっぱいあります。写真はオープン前日のお忙しい昼間にお邪魔して撮らせていただいたもの。「いやあ、今日はまだ整髪料つけてないんですよ、こんなままでもいいですか」と言いつつポーズをとってくださる大蔵さん。

(※)橘(たちばな)は、お菓子の神様とされるタジマモリが常世の国から持ち帰ったとされ、日本のお菓子のはじまりとされています。タジマモリをまつる中嶋神社は豊岡市三宅にあり、毎年4月の第3日曜日には、境内で「菓子祭」が行われています。

「豊岡1925」の運営は、篠山市に拠点を持つ一般社団法人「ノオト」が豊岡市から指定管理事業者として選ばれて行うものです。ノオトの代表理事である「仕掛け人」金野幸雄さんについては、後日改めてご紹介いたします。

一般社団法人ノオト
http://plus-note.jp/note/ もっと見る— 金野 幸雄さんと一緒です。