【テストページ】但馬STYLE VOL.48 「有子山城築城450周年事業実行委員会」《豊岡市》

兵庫県豊岡市にある城下町出石。但馬の小京都とも呼ばれ、古くは古事記や日本書紀にもその名が登場します。そんな出石でお城といえば「出石城」が有名ですが、その出石城を見守るように佇む「有子山城」をご存知でしょうか。今年で築城450周年を迎える有子山城を、より盛り上げようと発足したのが「有子山城築城450周年事業実行委員会」です。

―出石を見守り続けた有子山城

「同委員会は“有子山城を登ろう会”会長を発起人とし、出石振興局、まちづくり公社、観光協会、商工会などにより発足しました。有子山城は有子山の山頂にあった山城です。城主の山名祐豊(すけとよ)は、応仁の乱で西軍の総大将として名を馳せた山名宗全の子孫なんですよ」。そう教えてくれたのは出石振興局地域振興課の中尾祐太さん。

山頂までの道は整備されおり、幅広い年代から登山コースとして親しまれています。山頂にある展望台からの景色は絶景で、四季によって異なる出石の景色が一望できると教えてくれました。

山頂へと向かう道すがらも、曲輪や堀切など数多くの遺構が残っていて見所に尽きません。山城はその名の通り山の地形を生かして作られるため、これほど丁寧に管理されているのは珍しいと中尾さんは言います。それほど、この有子山城は地元の人々から大切にされてきたという証でもあります。


(画像:<左>登城口。出石城横にある稲荷神社から登城できる。<右>山頂付近にあるシノギ積みの石垣。)

―歴史とイベントの融合

そんな有子山城をもっと身近に感じてもらいたいと、出石の各所で様々なイベントが開催されています。

その一つが、今年8月に永楽館で行われたeスポーツ大会です。永楽館は近畿最古の芝居小屋であり、兵庫県の指定重要有形文化財にもなっています。現在も歌舞伎公演や地区行事などで活用されていますが、eスポーツ大会の開催は初めての試みでした。
「お城や歴史が好きな方はすでに有子山城の魅力を知っています。しかしお城が身近な環境で育っていると、なかなかその凄さに気づけません。このイベントをキッカケの一つとして、若い世代の方々にもより魅力を知ってもらいたいと企画しました」と中尾さん。


(画像:通常の永楽館内観。イベント当日は舞台に巨大スクリーンを設置した)

大会当日は地元の小中高生やお蕎麦屋の店員など、世代の壁を越えて16名の参加者が対戦を楽しみました。遠くは山口県や石川県、また海外からホストファミリーで豊岡市に来られていた参加者もいたほど。観戦者を含めると100名近くの人たちが集まったそうで、技が決まるたびに観客席から拍手が沸き起こるなど盛り上がりを見せました。

参加選手からも「出石で若者向けのeスポーツ大会が開催されてすごくうれしい」「今回のようなオフラインの大会は、地域のコミュニティが盛り上がると思うのでまた開催してほしい」などうれしい声が多数寄せられました。「主催者側としても、予想以上に反響が大きかった」と確かな手応えを感じたそうです。

また11月3日に行われた出石の一大イベント「第52回出石お城まつり」では山名祐豊役が初登場!馬に乗った祐豊は大名行列に参列し、堂々とした姿を披露しました。

―まだまだ記念イベント盛りだくさん!

他にも豊岡市役所出石庁舎にある出石振興局(豊岡市出石町内町1)の正面玄関ホールでは、12月1日まで「但馬の山城写真展」も開催しています。但馬守護であった山名氏の有子山城をはじめ、太田垣氏の竹田城(朝来市)、垣屋氏の宵田城(豊岡市)、八木氏の八木城(養父市)、田結庄氏の鶴城(豊岡市)など、山名四天王と呼ばれた城主が治めた城の写真もパネルで分かりやすく紹介されています。

さらに12月1日には、城郭考古学者である千田嘉博氏を招き記念シンポジウムが行われます。会場である永楽館への入場は先着順ですが、当日は出石振興局の市民ホールにてライブ中継も行われますので、写真展と合わせてぜひご覧ください。

今後も各団体により様々なイベントが企画されています。歴史豊かな城下町出石。城跡を散策しながら、古都の魅力に触れてみてはいかがでしょうか。

LINK UP  「有子山城築城450周年事業実行委員会」

■国指定史跡 有子山城跡
[所] 兵庫県豊岡市出石町小人1
[HP]https://www.city.toyooka.lg.jp/shisei/1027491/1027495/1029005.html
■有子山城築城450周年記念シンポジウム
[問] 0796-52-3111(出石振興局)
[HP]https://www.city.toyooka.lg.jp/shisei/1027491/1027495/1031020.html