但馬CULTURE VOL.73 但馬の山々が育んだジビエグルメ【テストページ】

野生鳥獣の食肉を意味する「ジビエ」。ヨーロッパでは貴族の伝統料理として古くから発展してきました。

―「モミジ」の名で愛されるシカ肉

日本でも、イノシシや野ウサギなど様々な野生肉が食されています。その中でもシカ肉は鮮やかな赤色から「モミジ」と呼ばれ、一部の地域で鍋料理などで食べられてきました。

シカ肉は高タンパクで鉄分や亜鉛、マグネシウムといったミネラルが豊富に含まれています。味もあっさりと食べやすく、カロリーや脂肪が少ないヘルシーな肉質です。しかし、まだまだ一般の食卓に浸透しているとは言えません。

―害獣を一流食材に

「食べるだけで健康になれて、さらに美味しい。そんなシカ肉を手軽に食べるきっかけになれば」。そう語るのは、鹿肉加工施設「鹿工房ロス・カサドーレス」代表の吉原剛史さん。自らが狩猟したシカ肉を加工した「但馬鹿の雲海スモークソーセージ」が人気を呼んでいます。吉原さんがシカ肉に出会ったのは、2014年に就任した朝来市地域おこし協力隊での経験がきっかけでした。

協力隊になって1年目のこと。先輩の猟師から教えてもらったシカ肉の美味しさに「害獣として駆除されているシカでも、適切に処理すれば立派な一流食材になることができる」と感じ、任期期間中だった2016年にロス・カサドーレスをオープンさせました。

―山の未来のために

森林の多い日本において、シカによる森林被害は全体の約7割を占めるとも言われています。山間部の多い但馬でも被害は深刻で、特にニホンジカによって幼い植物の枝葉が食べられてしまう植生被害は大きな問題となっています。

山の保全管理も行う吉原さんは、罠を使って捕獲したシカ肉を解体・加工し、県内外のレストランなどにも提供しています。
「シカ肉は手を出しにくい食材ですが、食べたら100人中100人がおいしいと言ってくれる自信があります」。より良い味に仕上げるため、仕留めてから1時間以内の迅速な処理にこだわっており、熟成したシカ肉は、一流ホテルなどからも高評価を得ています。

―但馬のジビエを食卓に

スモークソーセージの材料は、天然のシカ肉の美味しさを味わってもらうため、シカ肉のミンチと但馬牛の牛脂、そして塩のみ。「素材の良さを引き出すために、徹底して無添加にこだわりました。何度も改良を重ねたことで、このバランスを実現させたんですよ」と吉原さん。

シカの脂は融点が高く口に残りやすいので、融点の低い牛脂を混ぜることでジューシーな味わいを実現させました。噛み締めるたびに溢れ出る赤身の旨味を、香り豊かなスモークが引き立てています。今年の秋は赤ワインを片手に、但馬のジビエを楽しんでみてはいかがでしょうか。

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■鹿工房Los Cazadores(ロス・カサドーレス)
[所]兵庫県朝来市和田山町宮内344-2
[問]loscazadoresjapon@gmail.com
(HP)https://carne-asago.com/