但馬CULTURE VOL.44 豊岡復興建築群でまち歩き


豊岡市街地に鎮座する「小田井縣神社」。その神社の南側に位置する旧道沿いには、大正14年に起きた北但大震災の後整備された震災復興建築群が。大開、宵田通りなどに数多く残る建物を眺めながら、趣のあるまち歩きはいかがでしょうか。

― 豊岡杞柳細工を支える古社

但馬五社の一社、霊験あらたかな古社として知られる豊岡市街地に鎮座する「小田井縣神社」。毎年8月1日から2日にかけて行われる但馬三大祭りの一つ「豊岡柳まつり」は、当社境内に鎮座する「柳之宮」の例大祭です。

祭りは、小田井縣神社の移築に伴って再建されたのを機に、京都の祇園祭や大阪の天神祭などを参考に、昭和10年に始まりました。地場産業である豊岡杞柳細工が繁栄してきたことに感謝し、鞄産業の発展を祈願して、80年以上に渡って盛大に開催されています。

―特徴ある緑青の銅板張り

神社の南側に位置する旧道沿いには、かつて柳行李に関する商店などが建ち並んでいました。今でも当時を思わせる商店が残っています。

中でも、緑青の味わいが見事な銅板張りの建物が、ひと際目を引きます。近くでよく見ると、きめ細やかな細工が随所に施され、趣のある佇まいを見せます。銅板張りの建物の周囲には、和洋折衷のデザインや洒落たレリーフなど、随所に職人の遊び心が垣間見える意匠が凝らされており、まち歩きをより楽しくさせてくれます。

―今も息づく、レトロモダンな建築群

その他にも、奇跡の復活を遂げた「豊岡劇場」や、文政7年(1824)創業の鞄メーカー、昭和初期建築の銀行をリノベーションした医院など、趣のある建物が今でも現役で利活用されているのに心が踊ります。

大きな被害を受けた震災から立ち上がり、昭和初期に次々と建てられた復興建築群を眺めながら、小田井縣神社までぶらりと歩く。普段何気なく歩いているまちなみも、少し目線を変えれば、新しい発見の連続があるのではないでしょうか。

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■豊岡観光協会
[所]兵庫県豊岡市大手町3-2

(HP)http://www.toyo-kan.jp/

 

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