但馬CULTURE VOL.16  朝倉山椒の秘密を探る


「朝倉山椒」または「朝倉さんしょ」は、農業特区である兵庫県養父市の特産品です。八鹿朝倉村の豪族朝倉氏とその地名から朝倉山椒の名がつきました。鮮やかな緑色をしており、一般的な山椒に比べると辛味がマイルドで、爽やかな香りが特徴です。その品質の良さから、高級品として古くから愛されてきました。

― 栽培の秘密と歴史

 その昔、豊臣秀吉から任命された生野鉱山の奉行・伊藤石見守は、生野にある昔の侍町の跡に山椒を植えました。その後、山椒の木は大きく成長しました。慶長16年(1611)、生野奉行の間宮直元は、この山椒の木から実を取って徳川家康に献上したところ、大変喜ばれました。これが江戸幕府に「朝倉山椒」を献上した最も古い事例です。

 その後評判が広がり、朝倉山椒は天下の名産品となりました。朝倉山椒は、但馬国養父郡朝倉村でも栽培が始まりました。伊藤と間宮、二人の生野奉行も愛したであろう朝倉山椒。本来は枯れやすく、地産化は難しいとされていました。ですが平成21年に品種改良され、現在では但馬の特産品として栽培されています。

― 朝倉山椒を味わう

現在和食に使われるだけでなく、山椒を使った新たな需要を開拓しています。広くフードコーディネーターの協力を得て、ジュノベーゼや山椒味噌など洋食にもよく合う調味料を開発しました。少量加えるだけで、いつもの一品がプロの味わいになると評判です。

また養父市内の洋菓子店・パティスリーカフェ「KATASHIMA」では、スイーツに使われるなど、ブランド化が進んでいます。

― 新たな風を

今後は新たな販路を広げるためホテルやレストランへのPR、インターネットでの販売も視野にいれています。この機会に是非一度召し上がってはいかがでしょうか。

LINK UP 朝倉山椒

■朝倉山椒
[所]兵庫県養父市八鹿町朝倉1141 [問]JAたじま 営農生産部 営農課 079‐662‐4145
PICKUP