湯の恵み


 

『夢但馬2014』事務局です。
夏の温泉、きもちいいですよね。兵庫県には74の温泉があるそうです。そのうち、但馬地域にいくつの温泉があるかご存じですか。

答えは29です。最も古いのが城崎温泉、次いで湯村温泉。その他はすべて戦後につくられました。戦後につくられた温泉と、1000年以上の歴史のある温泉の違い、たくさんあると思いますが、一つはその温泉の「発見」のされ方にあると思っています。
歴史ある温泉のほとんどには、動物が傷を癒やしていたとか、高僧の○○が発見したとか、夢の中に神様が出てきて導いてくれたという由来があります。なぜなのかなあと、前からなんとなく気になっていました。

改めて思うに、昔の人々は、大地のエネルギーがわき出ている泉源に対する恐れや敬いの念が、今の私たちより強くあったのではないかと思うのです。人間が発見するなんて恐れ多いこと、神様や動物がそっと教えてくれたり、自然の中で厳しい修行を積んだお坊さんだけが見つけることができるものだったのではないかと思うのです。
自然の恩恵をありがたくちょうだいして、常に感謝を忘れず、謙虚に暮らしていた日本人の自然感覚。「湯」の恵みを多く受けている但馬に暮らす私たちは、この原点を大切にしたいなあと思います。

ところで、神鍋高原にある温泉施設「ゆとろぎ」は、取り壊し・立て替えが決まってしまいました。象設計集団による素晴らしい建物だっただけに、たった20年で取り壊しなんて残念でなりません。「ゆとろぎ」の営業は8月末まで。ぜひ最後の「ゆとろぎ」に足をお運びください。(K)
http://michinoeki-kannabe.com/wp/yutorogi/

■城崎温泉
奈良時代(717年)に道智上人が発見したと伝えられています。コウノトリが傷を癒やしていたという伝説もあります。

■湯村温泉
平安時代(848年)に慈覚大師円行が発見したと伝えられています。写真は大正時代の湯村温泉の荒湯。「村民は皆 飯食物を煮沸す 湧出場の情景」 提供:湯村よいとこ湯気の町
http://blogs.yahoo.co.jp/onsen0007/43284298.html#43284298