城崎・円山川の水上飛行機遊覧


『夢但馬2014』事務局です。
毎年夏の暑い盛りに開催される「コウノトリ但馬空港フェスティバル」。アクロバットな航空ショーがファンにはたまらないイベントです。今年は今週末の7月27日・28日ですね。

今から82年前(昭和6年・1931年)の7月28日、但馬の航空史上に残る出来事がありました。城崎温泉近くの円山川から、「城崎第1号」と名付けられた飛行機が空を飛び、日本海や天橋立を空から眺めて楽しむことを観光客に提供したのです。

この水上飛行機の遊覧を実現した中心人物は、城崎温泉の西村佐兵衛氏。1925年の北但大震災で丸焼けになった城崎で、絶望するまちの人々を奮い立たせ、今の城崎の町並みをつくり、復興に導いた敏腕町長です。震災で観光客が激減した逆行の時代に、民間の飛行機会社を作り、新しい取組みに果敢にチャレンジして誘客を図ろうとする姿勢、カッコよすぎます。しかも、ライト兄弟が世界で初めて空を飛んだのが1903年のことなんですよ。本当にスゴイと思いませんか?

この「城崎第1号」の模型が、コウノトリ但馬空港のロビー天井に展示してあります。空フェスにお出かけになるみなさま、ぜひこの模型も見上げてご覧になってください。(K)


ちなみに、当時、城崎周辺日本海遊覧のお値段が5円(約10分)、天橋立遊覧が10円(約30分)だったそうです。今の価値に換算すると、当時の5円は1?2万円くらいでしょうか。大変な高額商品ですが、定員いっぱいで人気だったそうです。昭和8年には松江との往復便が実現したりもしましたが、昭和14年には廃止となりました。

今、もし、佐兵衛さんが生きてらしたら、、
天空の城「竹田城」を空から楽しませてくれるかなあ(妄想)。写真は「城崎物語 改訂版(神戸新聞総合出版センター、2005年第1刷発行)」より