養父の錦鯉





『夢但馬2014』事務局です。
兵庫県の南から車で但馬に来られると、ん?と目をひく道路沿いの巨大オブジェ。但馬在住の私たちにはおなじみの養父市のアイコン・錦鯉です。錦鯉は今や「泳ぐ宝石」として海外のセレブにも大人気の高級魚。養父市の養殖業者さんにお話を聞きました。

美しい水に恵まれた養父市場では、江戸時代から(あるいはその前から)食用鯉の養殖が盛んでした。いわゆる「産業廃棄物」であった蚕のサナギ(但馬地域で盛んだった養蚕業から大量に出たのです)を、鯉のえさとして有効活用する「エコ」な栽培でした。コリコリした食感の淡泊な味は、城崎や湯村温泉の旅館からもたくさん注文が来るほどの人気ぶりだったとのこと。

昭和12?13年ごろ、新潟から錦鯉を移入し、鑑賞鯉の養殖が始まります。現在、全国に普及している「黒ダイヤ」系の品種は、養父市がふるさとなのですよ。スゴイですよね!

しかし、6・7年前の鯉ヘルペスの大流行と風評被害で、事情は大きく変わるのです。養父市だけでなく、全国の養殖業者さんが大打撃を受けられました。現在、養父市にある4つの養殖場では、高齢化で継続ができない、鯉ヘルペスへの対応が難しいなど、それぞれの事情で、鯉を出荷できない状況にあります。現状を知って私も本当にショックを受けました。養殖業者さんの無念な気持ちはいかほどでしょう。

今日は楽しい気持ちで「いいね!」という内容では決してありません。どうしたらいいのかも分かりません。が、養父市の特産として歴史と伝統のある錦鯉の養殖のことを知っていただきたくて、お伝えしました。(K)