名牛「田尻号」


『夢但馬2014』事務局です。
神戸ビーフは実は但馬牛のブランドで、松阪牛、近江牛、世界に誇る日本の高級ブランド牛肉のルーツも但馬牛だって知ってました?
というより、日本のほとんどの黒毛和牛は昭和14年の香美町小代の「田尻松蔵」さん宅に産まれ、育てられた但馬牛「田尻号」の子孫なのです!すごいですよね、但馬牛。

そんな“但馬牛”は抜群の肉質でめっちゃめちゃ柔らかくて、まさに極上の味。くー!食べたいですよね!9月22日に新温泉町で開催される「但馬牛まつり」では、ミニステーキコーナーで先着ですが但馬牛を食す事がきるそうで、もし但馬牛未体験の方がいたらこれを機会にぜひ食べに来て下さい、但馬牛!

でも、そんな但馬牛も一朝一夕でそんな美味しい牛になった訳ではなくて、小代の牛農家さんが昔から大切に大切に育ててきたのはもちろんのこと、そもそもの但馬牛の改良の素となったのは、今から200年も前の江戸時代、小代で暮らしていた「前田周助」という人物なのです。

前田さんは小さな頃から大の牛好きで、良い牛を見極める能力と、抜群に切れる頭脳の持ち主だったそうです。彼は良い牛を見つけると、家族、親戚、奥さんの実家まで借金をしてその牛を買い求め、一頭に現在の価値にして2000万円もの大金を払ったこともあったのだとか。

この前田さんがそこまでしていい牛を買い求めたのは、金儲けが目的ではありませんでした。前田さんは当時の貧しかった小代の人々の生活をなんとかしたい一心だったのです。
でも、きっと当時はそんな想いをもった前田さんも「何しとるんやあいつアホか」と冷めた目で見られたこともあったでしょうし、お金だけでなく色んなものを犠牲にもしたと想像します。でもそうした前田さんの強い想いと情熱が現在の日本のブランド牛の礎となっているんです。

「但馬は何もないよ」と但馬の方から聞くことがちらほらあります。でも但馬に来て半年程度の私ですが、但馬にはほんと良い素材がたくさんあるし、何より「想い」を持った素晴らしい但馬人がたくさんいるのを知っています。結局ブランド化やなんやら企画やらかっこいい事を言っても、その根源にあるのは絶対に「人」や「人の想い」です。僕は但馬と但馬人の可能性を疑いません。

「但馬牛」だって、もちろん牛肉自体も美味しくて素晴らしいです。でも一番素晴らしいのは、丹精込めて大切に但馬牛を育てている牛農家の方であったり、それを育んでいる但馬の自然、そして前田さん、「田尻号」の田尻さん、名もなき牛農家さん達が綿々と受け継いできた人の想い、文化なのです。
神戸で神戸ビーフを食べるのももちろん最高です。でも一度、ぜひ但馬にきて、但馬の人、自然、文化を五感で感じて、但馬牛の美味しさを根源から味わって下さい!イイネ!(T)

■但馬牛まつり
http://www.town.shinonsen.hyogo.jp/page/?mode=detail&page_id=ed6a9bf2112981ae640850619aa5de3d

■小代観光協会
http://www.ojirokanko.com/
→ページのウェブマガジン、和牛のふるさと・小代面白くておすすめです。

※JAたじまホームページ「おいしい但馬牛が食べれる店」
http://www.ja-tajima.or.jp/tajimaushi/taberu.html